
短編
旧校舎の女
匿名 2時間前
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あれは小学三年生のときのこと。
その日は朝から空がどんよりと曇り、教室の窓から見える景色もどこか薄暗かった。
三時間目の途中、僕はプリント係として、同じ係のM君と一緒に職員室へプリントを取りに行くことになった。教室は3階、職員室は1階。いつものように一番近い階段を使って降りていく。そこには旧校舎へと続く渡り廊下があった。
プリントを受け取り、帰り道。
その渡り廊下に差しかかったとき、僕たちは“それ”を見た。
廊下の先に、黒くて長い髪の女が立っていた。
動かない。顔は見えない。ただ、そこに“いる”のがはっきりと分かった。
見間違いじゃない。僕もM君も、確かに見た。
その瞬間、体が動かなくなった。まるで金縛りにあったように。
沈黙の中、突然雷が光った。
その瞬間、体が動くようになり、僕たちは一目散に逃げ出した。
振り返ると、女の姿はもうなかった。
あの女が立っていた場所は、とてもカビ臭く、木が腐敗していた。
まるで時間が止まっているような空間だった。
その後、僕は家庭の事情で引っ越すことになった。
M君とは連絡先を交換したはずだったけど、3年前から一切連絡が取れなくなった。
他の昔の友達に聞いても、誰も何も教えてくれない。
そして今夜、雷が光った瞬間に、あの体験を思い出した。
あの時の恐怖と、M君のことが急に胸に迫ってきた。
もし、これを見ていたら──
M君、もう一度会いたい。あの時のこと、覚えてる?
僕はずっと、君に聞きたいことがある
後日談:
- これは本当の話です。信じてもらえないかもしれないけど本当に信じてほしいですもしM君見ているなら、最後に会った公園でもう一度会おう
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