
私の通学路には、奇妙な人形がありました。誰もが気に留めることのないその人形は、いつも異なる衣装を纏っていました。ある時は妖精のような衣装、別の時はおばあさんの服装。そして、ある冬の夜、私がその公園に行くと、なんとその人形は何も身にまとっていなかったのです。
最初は、衣装を用意する人が疲れたのかと思いましたが、日が経つにつれ、その人形は何も変わらず、私は次第にその存在を忘れかけていました。
その年の冬が過ぎた頃、私の住む町は大雪に見舞われました。街は孤立し、数日間救助も来ず、家々は雪に埋もれ、多くの人が助けを求めていました。私は幸運にも助けられましたが、帰宅した時には、町は壊滅的な状況になっていました。
数週間後、復興作業の途中、私はその公園へ向かいました。人形のあった場所には、何も残っていないと思っていましたが、そこには驚くことに、無傷のまま立っている人形がありました。どうしてここに?
近くにいた年配の男性が、私に語りかけてきました。「その人形は、ここにずっといる。誰が衣装を着せていたかも分からない。だが、何も着ていない時には、必ず何か悪いことが起こる。」「それでも、今も何も着ていないよ。」と私が言うと、彼は無言でうなずきました。
時が経ち、私は今もその町にいます。あの人形も、そしてその人形は今も、何も着ていないのです。引っ越そうと思っていたけれど、何かに引き止められている気がします。何を恐れ、何を忘れかけているのか、分からないまま。
その人形が何を意味しているのか、私の心にはずっと疑問が残っています。恐れているのは、悪いことが再び起こることか、それとも、何も着ていないその人形が持つ秘密なのか。私は、今度こそこの町から去るべきなのかもしれません。
ただ、一つだけ分かっていることがあります。あの人形は、私の生活の一部となってしまったのです。
思い出すたびに、胸の奥がざわつくのです。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。

