
大学生の私がアパートに戻るのは、いつも深夜1時を過ぎてからだった。バイトを終えて帰ると、疲れ切っているため、食べ物をつまみながらテレビを点けるのが日課だった。この日も同じようにソファにだらりと横になり、番組を見ていた。
その時、突然テレビが真っ暗になり、白黒の映像が映し出された。見知らぬ中年男性が、驚いた顔で私を見つめていた。映像は数秒間続いたが、何が起こったのか理解できず、心臓がドキドキした。
すぐにテレビは元の番組に戻ったが、私は不安に駆られた。「あの人は誰?何で私を見ていたの?」その日は気持ち悪くなり、念のため母のところで寝ることにした。
翌日、母にその出来事を話すと、「それ、夢だったんじゃない?」と笑われ、私の不安は軽視された。
数日後、バイト中、アパートのすぐ近くにあるカフェで、またあの男性を見かけた。外見がどこかで見たことがある気がして、じっと見ていると、彼も私に気づいて驚いた様子だった。
近づいて話しかけると、彼は「君、テレビに映ってたよね?」と尋ねてきた。私もその話を切り出すと、彼は興奮気味に、「夜中にパソコンをしていたら、君が映ってたんだ!」と語った。
私たちは驚いた。何の前触れもなく、他人同士が画面越しに見つめ合うなんて、あり得ないことだった。電気を通して繋がったのだろうか?
その後、彼とは会うことがなかったが、その出来事が何を意味するのか、未だに解明できずにいる。私たちの間には何か特別なものがあったのだろうか?それとも、ただの偶然だったのか?
この奇妙な体験を他の人にも話したら、どんな反応をされるのだろうか。少なくとも、私たち二人の間には、確かに何かがあったのだ。今でもその不安は消えない。どこかに、あの男性がいるのではないかと。彼もまた、私を探しているのではないかと。そう思うと、背筋がぞくぞくした。
この出来事は、私にとって忘れられない恐怖の記憶になった。
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