
私が高校生の冬、祖父母の家に行くことになりました。引っ越しの準備を手伝うためです。片付けをしていると、古い引き出しの奥から一通の手紙を見つけました。
その手紙は深い青色の封筒に収められており、何かのメモのようでした。中には私の母や叔父、祖母が小さい頃の写真が入っていました。彼らが家族で冬の遊びを楽しんでいる様子や、雪だるまを作っている写真が並んでいました。
私はその手紙に夢中になり、何度も写真を見返しました。しかし、いくつかの写真には奇妙なことがありました。なぜか家族全員の顔が、何かで隠されているのです。特に、母と叔父が一緒にいる写真だけ、目の部分がなぜか真っ黒に塗りつぶされていました。
その異様さに気づいた私は、手紙を持って祖母に尋ねました。「この写真、どうして目が塗りつぶされているの?」と。
祖母は一瞬驚いた表情を浮かべ、手紙を取り上げようとしましたが、私が離さないので困ったように黙り込んでしまいました。そして、少し考え込んでから、「それは…あなたたちが小さい頃、おふざけでやったんじゃないの?」と笑って誤魔化そうとしました。
しかし、その言い訳では納得できませんでした。おかしいと思い、さらに手紙をめくると、唯一残されていた家族全員が写った写真がありました。それは、皆で雪の中で遊んでいる楽しそうな瞬間を捉えたものでした。
しかし、私はその写真をじっくり見ているうちに、背筋が凍るようなことに気づきました。写真の隅に、私たちを見つめる小さな子供の顔が写っていたのです。顔色は悪く、まるでこちらを羨ましがっているように見えました。
私は驚いて手を引っ込め、思わず「これ、誰?」と声を上げました。祖母はその瞬間、目を見開き、思わず手が震えました。「ああ、全て消したはずなのに…」と呟きました。
彼女は急いで近くのペンを手に取り、私が見ている目の前で写真を塗りたくり始めました。それを見て、私はこの写真の中の子供が祖母の忘れ去られた存在であることに気づきました。
祖母は昔、若い頃に他の男性との間に子供を授かったが、その子は病に倒れて亡くなったという話を始めました。その後、祖父と結婚し、私たちが生まれたのです。
彼女はその子の写真が写るたびに、思い出したくない過去を消そうとしていたのです。家族の写真には、いつもその子の影が寄り添っていたのです。
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