
大学の古い図書館には、長い間使われていない地下室があった。その日は友人たちと一緒に肝試しをすることにし、地下に降りた。薄暗い空間に、埃をかぶったフィルムプロジェクターがひとつ置かれていた。友人たちは興味本位でそのプロジェクターを動かすことにした。
映写機が回り始めると、白黒の映像がスクリーンに映し出された。そこには、60年前の町の風景や人々が映っていたが、何かが違った。映像の中では、同じように見える男が映し出され、同じ場所で何度も繰り返し何かを叫んでいた。
その時、突然映像が切り替わり、見知らぬ女性が映し出された。彼女は穏やかに微笑みながら、視聴者に語りかけるようにしていた。しかし、彼女の口から流れる言葉は、俺たちが今いる図書館についての恐ろしい内容だった。「ここにいる人々は、決して出られない…」と。
友人たちはその映像に釘付けになり、恐怖が広がっていった。すると、耳元でささやく声が聞こえてきた。「彼らはもう戻れないのよ、あなたも…」
その声は、スクリーンに映っている女性と同じ声だった。心臓が高鳴り、振り返ると、そこには長い髪を持ち、無表情でこちらを見つめる女性が立っていた。彼女の首は異様に長く、まるで映像から飛び出してきたかのようだった。
恐怖に駆られた俺は、逃げようとしたが、目の前に現れた彼女に引き止められた。俺の目の前では、映像の中のシーンがリアルに再現され、俺を取り囲んでいた。逃げる暇もなく、気がつくと、俺はその場から飛び出していた。
「ただいま、図書館の地下から男が行方不明になりました。現在、警察が捜索中です。」というアナウンスが、図書館の静寂の中に響き渡った。ドアは固く閉ざされ、誰も出られない。俺はそのまま、映像の中に取り込まれてしまったのだ。何も知らないまま…彼女の微笑みが、永遠に続くことを。
友人たちは、今も図書館の地下で、映像の中の彼女と一緒に過ごしているのだろうか。
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