
長編
生霊の女性
続き期待 3日前
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ら聞いた内容だが。
手形に関しては見た。
「え?幽霊?マジ?僕の隣?」
隣の人の表情も恐怖に変わっていた。
隣の人がいい人で良かった。
結局その夜はその人の部屋に泊めてもらい、翌朝、自分の部屋を確認することにした。
慌てて飛び出したから、部屋の鍵は部屋の中。
隣のお兄さんに携帯を借りて、母親へ電話して合鍵を持ってきてもらった。
裸足の俺と友人、隣のお兄さん、母親の4人で部屋の前に立った。
昨日のままなら、あの女の人は廊下にいる。
つまり、このドアを開けたら、ばったり会ってしまうよね?
そんな状況だったから、喉が乾き、手が震えた。
鍵をゆっくり開ける。
カチッ
鍵を開けた音をこんなにはっきりと聞いたのは初めてかもしれない。
恐る恐る中へ入った。
廊下には何も居なかった。
そのまま皆一緒に廊下を横切り部屋へと入る。
昨日目撃した手形は綺麗さっぱり無くなっていた。
その日、体調不良ということでアルバイトを休み、友人には何度も謝り、母親と友人と俺の三人で不動産屋へ足を運んだ。
「あの部屋、やけに家賃が安かったけど、事故物件なんじゃないですか?」
そう聞くと、
「いいえ、誰も死んでませんよ。ボヤを起こした男性が火傷で救急車に運ばれたことがあって、焼けたときの跡が部屋に残ってしまってるから、キズモノとして安くしてるだけです。」
そういう返答がきた。
とにかく、気持ち悪くなったので、引っ越しをすることにした。
俺は情けないことに憔悴しており、食事もまともに喉を通らなかった。
きちんと食べていなかったせいか、体力が落ち、夏風邪をひいた。
荷物はそれほど多くなかったので、すぐにまとめることができた。
最後の部屋の掃除を母と祖母に任せて、俺は風邪を治す為に実家で休ませてもらうことにした。
俺が寝ている間。これは後から母から聞いた話だ。
掃除をしているときに、雑巾を濡らす為に溜めた水に女性の顔が映り込んで、
「もう、やだ!!」
と言って祖母が飛び出していってしまった、という事態が起きたらしい。
やはり、女性の霊がいたんだろうか?
しばらくして、ぼんやりした意識で状態を起こした。
喉が乾いたので、何か飲もうと思ったんだ。
タイミング良く、母がポカリスエットを手渡してくれた。
「ありがとう。掃除は?」
貰ったポカリスエットを飲みながら質問する。
「終わったよ。あんたとは合わなかったんだ
後日談:
- ちなみに今はきちんと会社員として生活しています。 IT系企業です。 ITの知識を一生懸命勉強して、なんとか会社員として採用されました。 一度、死にかけたような怪我をしたことが原因か分からないですが、「生きていなければ、何も選ぶことはできないな。」という考えが芽生えたのがきっかけで、自分で選択肢を探るようになったような気がします。 恐怖体験ではありましたが、自分の考えが良い方向に変わることができたのは良かったかもしれません。
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- 自分の事のようにドキドキして拝読。二人とも死ななくて良かったです。死んでしまってもただの事故で済まされてたから…匿名
- 大作だったけど結局女と子供の正体は分からず仕舞いか残念菜々氏