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水溜まり

友人宅で遊んだ帰り道、突然の豪雨に見舞われ、傘を持っていなかった私は目についたコンビニで雨宿りをしようと店内に入った。
スマホで天気を検索すると、数分後に止む予報だったので、雑誌を読んでしばらく待たせてもらうことにした。
ページをめくりながら雨の様子を眺めていると、駐車場に大きな水溜まりができていることに気付き、暗くなっていたこともありそこだけ真っ黒な水が渦を巻いているように見えた。
予報通り数分後には雨は弱まり、この程度なら走って帰れそうだと思い退店すると、先ほどの水溜まりが視界に入った。
泥や砂利で黒く濁った水溜まり。
その中心に、何かが浮いているのが見えた。
一瞬、黒いビニール袋でも浮いているのだろうかと思ったが、直後にそれは浮いているのではないことがわかった。
水溜まりの中から、両目を出した女がこちらを見ていた。
長い黒髪が顔中に張り付いていたが、目だけは鮮明に露出していた。
あり得ない光景に間抜けな悲鳴を上げ、無我夢中で自宅に向かって走った。
疲れていたんだ、見間違いだ、そう自分に言い聞かせ、その日は酒を飲んで早々に眠った。
後日、その日は朝から雨が降っていた為、夕方過ぎに買い物を済ませ、傘を差しながら帰宅していた。
ふと先日のコンビニを思い出し、見間違いだという確信が欲しかった私は、通りがてら駐車場を横目で確認することにした。
真っ黒な水溜まり。
その中心に、それは居た。
這い出るように、胸元あたりまで水溜まりから出ていた。
私は咄嗟に目を逸らし、足早に帰路についた。
あれが全身這い出てしまったらどうなるのだろう。
私はもう、その道は通っていない。
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