
大学生の私は、冬の寒い夜、いつもの帰り道である山道を通っていた。周囲は真っ暗で、月明かりだけが道を照らしている。そんな中、急にカシャ、カシャという音が耳に入った。心臓が高鳴り、音の正体が気になって仕方がなかった。
その音は、まるで古いカメラのシャッター音のようだった。リズムは規則的で、時折、風の音と混ざって不気味さを増していく。私は自転車を止めて、その音の方へ慎重に近づくことにした。
音のする方向には、古びたカメラのような物が見える。木々の間から覗くと、ピントが合わない写真を撮っているように見える男がいた。心拍数が上がり、恐怖に足がすくんだが、好奇心が勝り、さらに近づいてみた。
「カシャカシャ…」音が続く。男の視線が私の方に向いた瞬間、私は心臓が止まるような衝撃を受けた。彼の顔は、まったくの無表情で、まるで何も感じていないかのようだった。私は後ずさりしようとしたが、その瞬間、彼が何かを叫ぶ声が聞こえた。
「お前も撮ってやるから、じっとしてろ!」
私は恐怖で逃げ出した。心臓が破裂しそうに感じながら、自転車に飛び乗り、全速力でその場を離れた。振り返ると、男はまだシャッター音を響かせていた。
次の日、大学で授業を受けていると、教授が最近のキャンパスでの奇妙な事件について話し始めた。どうやら、学生たちが無断で写真を撮られ、後でその写真が無断でネットにアップされるという事案が発生しているらしい。
私は心の中で、あの男との遭遇を思い出し、恐ろしい予感に襲われた。誰にもこのことを話すことはできなかった。周囲の人々が私を変態だと思うに違いないからだ。結局、私はこの恐怖を一人で抱え込み、今でもその日のことを忘れられずにいる。夜中に山道を通ると、あのカメラの音が耳に蘇り、背筋が凍る思いをするのだ。もう二度とあの道は通りたくない。恐怖の記憶が、私を追い続けている。
この話を投稿することで、少しでも心の整理ができればと思う。あの男のことを思い出すたびに、身の毛がよだつ思いがする。もう、二度とあんな経験はしたくない。
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