
長編
建て替え
匿名 2日前
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とで仕事は務まりません。
意を決してドアを開け、勢いよく中に入りました。
わたしは初めて腰を抜かしました。
最初に感じた違和感の正体、102号室でのタバコの臭い、Googleマップに写っていた更地の画像、そして、佐藤さんからの電話。
わたしの今いるこの部屋は、燃えているかのように暑かったのです。
真冬の空室が熱いわけはなく、逃げるかのように立ち上がろうとしたとき、私はあの電話の内容を思い出します。
「最近、部屋が暑くて眠れないんです。助けてください」
もしかして、佐藤さんは今この瞬間も苦しんでいるのではないだろうか。
そう思うと、私は恐怖の感情を跨ぐようにリビングへ向かいました。
ものすごく熱く、その重圧に腰を抜かしそうになるも、負けじとバルコニーへ続く窓を勢いよく開け放ちました。
外気温2℃の冷たい風が、一気に部屋を制圧し季節外れにかいた私の汗を冷やしていくのを感じました。
気づけば部屋は寒くなり、感じていた重圧からも解放されました。そのとき玄関の扉を開ける音が聞こえ、林さんが中に入ってきました。
「先に来てたんだ、うわ何その汗」
何で説明したらいいかわからずに言葉を探していると「体調悪いんでしょ、ちょっと休憩してていいよ」と気を使わせてしまいました。
この汗だけが、さっき起こったことを証拠付けるものだけど、私は「大丈夫です」といい寒い103号室と、タバコのにおいがしない102号室の掃除をしてから、事務所まで戻りました。
この出来事があってから半年が経ちましたが、佐藤さんからの電話は未だ来ず、あのアパートにもあれ以来行っておりません。
ただ、その後店長へありのまま伝え確認したのですが、あのアパートはやはりチョメスハイツの建て替え後の物件だったこと、それが約20年前の出来事だったこと、今すぐお祓いに行った方がいいことを忠告されました。
もちろんその次の日有給を取りお祓いに行きましたが、住職さんがいうには、どうやら私からこの世のものじゃない何かを感じたそうです。それは、長年苦しみ彷徨ってきた男性の感謝の気持ち。
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- 全身の鳥肌がフル勃起wwwポケモナー
- 全身の鳥肌がフル勃起wwwポケモナー
- めっちゃ感動したつばさ
- ええ話やんチョメチョメハイツ
- チョメスハイツきこ