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長編

おじちゃん

匿名 2022年1月18日
怖い 102
怖くない 84
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私が小学生の頃に実際に体験した話しを投稿したいと思います。  小学2年生の夏休み。私は家族と共に1週間程 母の実家に遊びにきていました。 当時、母方の祖父母が住んでいた家は大阪の泉州にあるとても古い府営団地・長屋の一室で、二階建てだったものの部屋数も少なく変な間取りでとっても窮屈な家でした。 小学校低学年の子どもが室内で 暇を潰すのには限界がありました。 妹とも年が離れていましたし、 大人も流石にいつまでもは 遊んでくれませんでしたから...笑 私に暇だと永遠嘆かれるのが敵わなかったのか、 小学生に上がってからは1人でも ある程度の外出が許されていました。 というのも、その団地内にはいくつか公園があり 近くのところなら、という条件があったからです。もちろん門限も。 なので約束の内なら自由に行動ができました。 ーーこちらに遊びにきて、2、3日経った頃でしょうか。 蒸し暑い昼下がり、妹たちが昼寝に入り 大人たちが談笑を始めた頃。 私はいつもと同じように「行ってきまーす!」と声をかけ近くの公園に走って行きました。 しばらくは鉄棒や滑り台なんかをして 遊んでいたのですが、小さい公園だし なにぶん1人なので すぐに飽きてしまいました。 そろそろ帰ろうかなあなんて思っていた時 2〜3人の同じ歳くらいの子たちが 自転車に乗ってきゃっきゃっと 楽しそうに公園の前を通り過ぎていきました。 「いーなぁーー、、、」 立ち止まってしばらく その子達の後ろ姿を眺めていたのですが 寂しかったわたしは 「一緒に遊んでってゆってみよう!」 となかなか行動派の思考がめぐりました。 目的地も知らないくせに 何故か『きっとどこかの公園で遊ぶんだ』 と思い込み、追いかけることにしたんです。 とりあえず約束の時間内に戻れば すこしくらい遠出したって親にはバレないですからね。 しかし向こうは自転車、もちろん私は歩き。 向かった先は違う棟の団地で、見慣れない景色。 様子を見ながら小走りでついて行っていたものの、 見失うのにそう時間はかかりませんでした。 とぼとぼと知らない道を歩きながら 子どもの声のする公園を探し回りました。 見失ってから10分ほど歩いた頃でしょうか、賑やかな声のするわりと大きな公園を見つけたんです。先程の自転車もとまっています。 ふぅーーよしっ!息を深く吸い込んで 公園の入り口に向いて歩き出しました… ……が、意気込んだそばから 目に飛び込んできた子どもたちの遊ぶ姿。 年上の友達とも合流したのでしょう 大きい子たちもちらほらいます。 人数も5、6人になっていて、 お菓子を食べながらワイワイと遊具で遊んでいました。 「………これは…。声かけれないなぁ。」 とまぁ、あっさり私の心は折れてしまいました。 こんなところまで追いかけてきたのに 話しかける勇気すら出ない自分を情けなく思いながら、 気づけば迷子。知らない公園の前で 「どうやって帰ろうかなぁ。 でもまぁこの辺の人に おばあちゃんの名前ゆったら たぶん誰か家教えてくれるやろぉ。」 とかを考えながら わりと呑気に遊びに夢中の子どもたちを 羨ましい気持ちでしばらく眺めていました。 ー「おじょうちゃんっ?」 突如後頭部から聞こえた低い声に ビックリして、後ろを振り返りました。 そこには自転車にまたがった 50代前後の気の良さそうな おじさんが立っていました。 「びっくりさせたなぁーごめんやでー!  せやけどおじょうちゃん友達と遊ばんと  なんでこんなとこから見てるんかなと思って  ちょっと気になったんやわ」 と優しく目を細めて笑いながら 気さくに話しかけてきました。 びっくりはしたものの、 村呼ばれるほどの田舎で育った私は (近所の人は皆んな知り合い!     ) (おじさん、おばさんはやさしい!   ) (年寄りを大切にする!        ) (話しかけてくれた人には愛想よく返す!) (変な人は見るからに変だからわかる! ) と大袈裟じゃなく 本当にそう思って育っていましたので。 一人ぼっちの私を可哀想に思って 話しかけてくれたんやなあと思い、 「こんにちはッ」とあいさつをして、 優しいおじさんにに今までの経緯を 聞いてもらうことにしました。 すると話を聞いたおじさんは 「そうかそうか、おいやんも1人やから  わかるでぇーほんでちょうど今暇やってん、  おいやんの家そこやし、  お嬢ちゃん絵描くの好き??  うち、色鉛筆も画用紙もあるで!  後でおばあちゃんちおくったげるから  うち遊びにおいで!」 と遊びに誘ってくれましたーーー。 お気づきの通り、、 この時点でもはや大アウトなのですが。。 当時の私は、「うん!描くのすき!ありがとー!」なんて呑気について行きます、、。 本当に優しいさだと思っていて、おじさん1人で寂しいんだろうなーお話ししてあげよーっと このくらいの気持ちをも持っておりました。 ーーーそうして、自転車をゆっくりと押して歩くおじちゃんの後を ちょこちょことついていくと 本当に公園のすぐ脇にある長屋に着きました。 離れてはいますが同じ団地内ですので 色も形も祖父母宅と同じ作りの長屋で したが、 日当たりが悪いようで全体的にじめっとした 暗い雰囲気に包まれていました。 「どうぞ〜。」と言われ、 「お邪魔します。」と家の中に入った瞬間 『ん?』となにか違和感を感じました。 うまく言えないのですがひと気がない割には 異様に物が多いというか。 ごちゃっとしてるというか… 玄関なんかはとくに靴だらけで 傘とかもやけにたくさんありました。 若干の違和感を感じたものの、 『片付けが苦手なんかな?』くらいに思って さらっと中に入れてもらったんです。 中に入るとおじさんは 「じゃあ下で絵かいててなー!  机の上に絵のセットおいとくさかよ!  おいやんちょっと用意しやなあかんこと  あるから2階いってくるわな!  戻ってくるまで絵かいてまっててな。」 と言い残し2階に上がっていってしまいました。 部屋はというと見慣れた祖父母宅と同じ作りで 入ってすぐの短くて細い廊下の横に 急な階段があって 突き当たりはリビングになっていました。 部屋に特に変わったところはなく いたって普通だったのですが、 2階につながる階段が少し変わっていました。 その階段を見上げると祖父母宅では両サイドに 襖がある踊り場が下からでも見える 直線の階段になってるのですが おじさんの家はその階段の中腹部に 青いビニールシートがカーテンのように綺麗に貼られており、 その間からロープ?のような紐がだらんとたれていたんです。 あと階段の端に靴やら上着やらが やたらと置いてありました。 『なんかいっぱい靴あったし  2階に人がいるんかな??  声うるさくなったらあかんから  ブルーシートでカーテンとか  作ってるんかなぁ?でも静かやしなぁ。  ……へんなのぉ。』 、、とまあ 明らかに異様な雰囲気にも関わらず まだ私はこんなに呑気なことを考えておりました。 きっとこの後の不思議体験がなければ 私は絵を描きながらおじさんが来るのをたんたんと待っていたんだと思います。。 体感で10分〜15分ほどたったころでしょうか しばらく絵を描いていた私でしたが 「おじさんなにしてるんやろ?おそいなぁ。」 と思い顔を上げた時でした。 何かに頭を撫でられたような風が通っていったような、 なんとも言えない変な感覚があったんです。 もちろん誰もいないし頭上にも何もありません。扇風機もついてませんでしたし。 「ん?何??」 と思うのと同時に突然、 無性に帰らなければいけない という意識で頭がいっぱいになり 今すぐこの家を出ないといけない、 という強い気持ちに駆り立てられました。 冷や汗も吹き出してきて なんというか全身に電気が走ったような感覚でした。 私は描いていた絵も色鉛筆もそのままに 外に飛び出しました。 お邪魔しましたを言わずに人の家を出たのは初めてでした。 それぐらい切迫詰まっている感覚だったんです。 あくまでも感覚がそうであっただけで 何故そうしているのかは自分でも理解が 追いつきませんでした。 そのあとも変な感覚は続きます。 自分でもどうやってここまで来たかも わからないのに 不思議とすいすいと道を選んでいけるんです。 ここ右ここは左ここは、、と 見たことない道を嘘みたいにずんずん進んで全く迷うこともなく気づけば家につながる道に出ていました。 本当に不思議でした。 自分の直感が天才なのかとも思いましたが 全く迷わず家につくことができたその状況は 今思っても普通ではなかったとおもいます。 玄関が見えてきた頃には あたりはすっかり夕焼けで さっきのおじちゃんのことも 今の不思議な感覚のことも 急に怖くなってきて 走って玄関までいって勢いよく 戸を開けました。そしたらみんなが 顔を真っ青にして玄関に走ってきて 「あんたーーー!どこいってたんーー!!」 と一発目に母の怒号が飛び、 パシーーンっと頭を叩かれました。笑 どこにっ行っていたか聞かれたわたしは 友達を作りたくて遠くの公園までいって、 知らないおじちゃんのご好意に甘えて 家に上がり込んだけれど そのおじちゃんがどこかへ行って なかなか帰ってこなかったので 遅くなると思い、何も言わずに勝手ににかえってきてしまった。悪いことをしてしまった。 と一生懸命に説明していました。 何故かその時点でもわたしは ありがとうも言わずに勝手に帰ってきたことを怒られるとばかり思っていたのです。 そのあとは約束を破ったこと 門限を破ったこと、知らない人について行ったこと 何から何までかなり怒られました。 (そらそうですよね。笑) まあそうゆう感じで、 無事なに事もなくかえれたわけで 後にも先にもそこの団地付近で 事件があったなどの話は聞いていないし わたしにそのおじさんが必要につきまとう。 なんてこともありませんでした。 自分でも危ない経験をした。 という感覚は当時、ほとんどありませんでした。 ただ、のちに これゾッとするのが おじちゃん家の風景、ちゃんと印象深かった部分は脳に焼き付いているんです。 あの日、何気なく感じた違和感。 わりと時間がたってからこの話を 人に話した時にきづいたんです。 私に会った時 自分は1人だといっていたおじさん。 やたらと靴や傘の多い玄関。 階段に置いてある靴。上着。 ただ多いだけじゃなかったんです。 その違和感。 一人暮らしであろうおじさん宅にあるはずのない 子ども用や女性用のものが多かったんですよ 他にも人がここにたくさん人がいると思うほどに… 流石に寒気がしました。 あの日あの不思議な感覚に 急かされることがなければ 幼い私はどうなっていたのか… 考えるだけで身震いします。 私は幸運にも なにか大きなものに守られたのだと 今でも感謝の気持ちをもって生きています。 長くなりましたが、以上が 私の実際に体験した一夏の思い出です。

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