
4ヶ月前のこと。
私は都会の古びたアパートに引っ越してきた。
社会人になったばかりで、家賃が安い場所を探していて、ここにたどり着いたのだ。
住人はほとんどが高齢者で、廊下はいつも静まり返っている。
最初は少し不安に思ったが、生活には必要な場所だった。
しかし、居心地は良くなかった。
部屋は古く、床はギシギシと音を立てるし、隣の部屋からはなぜか夜中に何かが叩かれる音が聞こえてきた。
ある日、帰宅すると、玄関前の廊下に白い紙が落ちていた。
何気なく拾ってみると、そこにはメモが書かれていた。
買うもの
米
大根
卵
ガムテープ×3
捨てるもの
古い服
どうやら、どこかの住人が日々の買い物を忘れないように書いたものらしい。
ガムテープに赤い丸が付けられていた。特に重要だとでも言いたいのだろうか。
そのメモを元の場所に戻した。
次の日の朝、見てみると、メモはもうなくなっていた。
数日後、また同じ場所に白い紙が落ちていた。
今度はどんな内容だろうと、軽い気持ちで拾ってみると、再びメモだった。
買うもの
米
お茶
キャベツ
ガムテープ×5
捨てるもの
古い雑誌数冊
また同じような内容だ。
ガムテープに赤丸が。どうしてこんなにもガムテープを買うのだろう。
引っ越しの準備をしているのかもしれない。
私はそのままメモを戻した。
次の日、メモはなくなっていた。
それからまた数日後、今度は何が書かれているのかと思い、期待を胸に拾った。
しかし、そこに書かれていたのは驚くべき内容だった。
練炭練炭練炭練炭・・・
紙は小さな字でびっしりと練炭という文字が書かれていた。
そして、その文字全体に赤い丸が何重にも付けられていた。
「なにこれ!?」
私は思わずその紙を放り投げた。
明らかに異常な内容だ。
練炭とガムテープ。
この組み合わせは、一体何を意味するのか。
自殺の準備?
私は不安を抱えながらも、何とかこの状況を解決しなければと思った。
しかし、どの部屋の住人が書いたものかは分からない。
その時、隣の部屋から私と同じように若い女性が出てきた。
彼女は私に全く目を合わせずに通り過ぎて行った。
彼女はいつもそうだった。
私が挨拶をしても、無視される。
そんな彼女にこのことを話すのは無理だと思った。
結局、私は管理人に相談することにした。
管理人は優しいおじさんで、話しやすい人だ。
「その件、私が住人に声をかけてみますよ」と言ってくれた。
少し安心した。やるべきことはやった。
それから数日後、また廊下に紙が落ちていた。
後日談:
後日談はまだありません。
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