
友達から聞いた不気味な話が、ふと脳裏に浮かんだ。彼の体験談は、いつも胸が締め付けられるほどの恐怖を伴っていた。その中でも、特に心に残る話があった。
私は、幼い頃から不思議なものが見える。見えないものの気配を感じたり、目にしなければならないものを目にしたりする。喧騒の中に溶け込む幽霊たちの思いは、時に私の心を撃ち抜くこともある。彼らの声は、まるで耳元で響く雷のように迫ってくるのだ。
「もう二度と見たくない」と心の底から思う。そんな私の記憶の中で、最も恐ろしい出来事を語ろうと思う。
私がまだ子供だった頃、姉とよく遊んでいた。姉は明るく無邪気で、彼女の笑顔は今でも私の心に鮮やかに残っている。あの日、私たちは山の中にある廃墟を探検することにした。姉は自然に憧れていて、しばしば山へ行くことを希望していた。親は私たちを放任していたため、特に気にせずに廃墟に行くことも珍しくなかった。
廃墟に向かう途中、姉は急に言い出した。
「ねぇ、ここに人形があるって噂、知ってる?」
私は驚いた。そんな噂を聞いたことがなかった。普通の廃墟ではなく、何かしらの不気味な何かがいる場所だと思った。
「どんな人形?」
「古い人形で、目が光るらしいの!」
その言葉を聞いて、少し恐れを感じたが、姉の好奇心には抗えなかった。私たちは廃墟に入ることにした。中は薄暗く、冷たい空気が流れ込んでいた。何かが私たちを見つめている気配がした。
「ねぇ、幽霊がいるかもしれないね…」
「大丈夫、私がいるから!」と姉は笑った。
私たちは奥へ進むと、不気味な気配が強くなってきた。廃墟の奥には、古びた人形が無造作に置かれていた。目がどこか不気味に光っていた。
「あれがその人形だ!」
姉が近づくと、突然人形の目がぎらりと光った。驚いて後退ると、そこに何かがいた。黒い影が姉の後ろに、まるで彼女を包み込むように現れたのだ。
「おい、後ろ!」と私は叫んだ。
姉が振り向くと、その影は一瞬で消えた。私は全身が凍りつき、逃げ出したくなった。だが、姉は興奮して人形に近づいた。
「ねぇ、見て!すごく可愛い!」
その瞬間、影が再び現れた。今度は姉に向かって、低い声で囁いた。
「連れて行く…」
私は恐怖に駆られ、姉を引き寄せようとしたが、彼女はそのまま人形に手を伸ばした。影が姉の手を掴むと、私は必死に叫んだ。
「逃げて!戻れ!」
しかし、姉は振り返らなかった。影は彼女を引き寄せ、そのまま消えていった。
後日談:
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