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短編
通話の向こうの声
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通話の向こうの声

2週間前
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冬の夜、彼女と一緒に友人の山荘に遊びに行った。楽しい雰囲気の中、私たちの共通の友人であるYに電話をかけることになった。Yは快く応じ、私たちは彼の声を通して盛り上がっていた。

会話も弾み、しばらくして無言になったその時、突然、山荘の古びたラジオから異様な声が流れてきた。

「手を…洗わせてくれませんか?

手をっ…洗わせてくれませんか…?

すみません…手を…」

その声は女性のもので、Yの声とは明らかに違っていた。

無機質で、どこか人間味が消えていた。その声がまるで誰かが偽物の人間のように話しているようだった。

恐怖が私を襲った瞬間、私は本能的に通話を切った。彼女は「何だったの?」と冷静に言ったが、私の心中はざわざわしていた。

その後、Yに「回線が悪かったみたい」とメッセージを送った。彼はいつも通りの反応で、安心したが、私の心には何かが引っかかっていた。彼女が不安そうに「どうしたの?」と聞いてきたが、私はそのことを話す勇気がなかった。

日が経っても、あの時の声が頭から離れなかった。Yにそのことを話そうとしたが、彼は何も覚えていないと言った。私の中で、あの声が自分の内側から聞こえていたのではないかという疑念が膨らんだ。私の記憶に残るのは、山荘にいた友人の姿だけだったが、その友人の名前すら思い出せない。

この冬の夜、あの古びたラジオがまた鳴り響くのではないかと考えると、恐ろしさが胸を締め付ける。あの声が本当に私たちの電話の向こうから来ていたのか、それとも私の心の奥底から発せられたものなのか、今もわからないままだ。夜が深まるにつれ、私は再びその山荘には戻れないと感じる。

友人と電話をすると、いつもあの声のことを思い出す。そして、彼女が言った言葉が耳に残る。「あの声、どこから来たのだろうね?」と。私の心の奥に潜む恐怖は、決して忘れることができない。

そして、あの声はもしかしたら、私自身が呼び寄せたものだったのかもしれない。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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