
長編
テェディベアー
モヒート 2015年4月27日
chat_bubble 20
44,481 views
この話は5年前のお話です。
5年前の夏私には初めて出来た彼氏がいました。その彼とゲームセンターに行った時一目惚れした人形があったのですが。
なかなか取れず。諦めて。隣にあった少しデカ目の茶色いテェディベアーを彼氏が運良く一発でとってしまい。
変わりにそのテェディベアーを貰うことになりました。
私はそのテェディベアーを喜んで手に取り。
彼にお礼を言いました。
でも彼はこのテェディベアーが少し気味悪く感じたから私にくれたんだと思います。
その夜彼にメールでデートのお礼とテェディベアーの名前を決めてという文章を送りました。
メールを送って3分ほどすると返事が来て
「俺も楽しかったよありがとな。。あのクマか。。なんでもいいんじゃねぇか?。それより今度の土曜日…」と話を変えられてしまい。私はテェディベアーのことは忘れ彼と楽しいメールをしてました。
その間テェディベアーはベットの上に座っていたと思います。
メールが終わり。寝ようとした時私はテェディベアーを机に置いて。眠りにつきました。
そして。夜中の3時頃に暑苦しさで目が覚めて横を見ると。あの。テェディベアーが隣で寝てたんです。
その時はあまり気にも止めてなくて。テェディベアーを机の上に置き直して。携帯をいじってしばらくしてからまた眠りにつきました。
翌日。いつもどうりに高校に行き。友達と寄り道をして帰りました。家についたのは8時頃だったと思います。
部屋に入り。宿題を済ませて携帯を見ると彼からのメールが入ってました「あのくまの名前決めた?」という内容でした
私はとっさに思い出し。彼の名前の2文字をとり。るいわ。と名前をつけて。送りました。一時間ほどたち彼からメールがきました。
「気味悪にすればよかったのに。」という内容に私はびっくりしました。
どうして?なんで?意味がよくわからない。と頭が空回ってふとテェディベアーを見ると。優しく微笑んでます。
その時私はテェディベアーを抱き上げ膝に乗せて「るいわちゃん。私の彼酷いよね」と笑いながら話していました。
それはただ。独り言のつもりみたいな感じで…
それから。愚痴やノロケをよくテェディベアーに話していました。
それから二ヶ月が立ち。彼も私も普通の日々を送っていましたがある日突然友達に。「あんたと親友とあんたの彼氏こないだ公園でキスしてたよ。」とこんなことを言われました。すぐ親友と彼を呼び出し三人で話し合いをすることに…
結果私は親友に彼氏を取られて。最後は親友に「うまいこと利用させてもらったよ」と言われました。
その日そのことを涙ながらにテェディベアーに泣きながら話。最後に「彼氏も親友も死ねばいいのに」と言ってしまったんです
その時は本当に強くそう思ってました。
そして3時間くらい立った時電話が鳴り響きだしてとってみると。「これでなかなくてすむね」とアニメ声で言われ。えっ。とびっくりしていると「もしもしー?A子だけど」その声はA子(浮気現場を教えてくれた友達)でした。
私は内容をきいてびっくりしました。彼と親友が二人で歩いていた時通り魔に殺されたとの事だったんですから。
私は電話を切ったあと。笑ってしまいました。いい人振りたくないんで本当の事を言うと。本当に恨んでいたから殺されるときのあいつらの顔見たかったなーと思いながら。ゲラゲラお腹を抱えて笑っていたんです。
今考えるとどうかしてたと思います。
本当に可笑しくて笑い転げて寝れませんでした。
ちゃんと葬式は行きましたよ。
その時私。初めて彼に対しての悲しみで泣きました。ずっと一緒に居たかった。ずっと愛しあいたかったのにって心が悲鳴を上げるようになって泣きじゃくりました。
親友の葬式にはでませんでしたよ。
そしてそれから数日だった時母親と喧嘩になりました。
理由はテストの点の事。98点という中途半端な点数のことで怒られましたでも私中途半端な点数だったからって怒られても知らんがなって思って
又テェディベアーに愚痴を言って。「お母さんなんて。痛い目見ればいいのよ」と言ってしまいました。
その時です「ぎゃーやっやっめーてー」と母親の声が聞こえて。
下の部屋に一目散で駆け下りました。
そこには寄った勢いで母親を殴る父親の姿と必死で止める兄の姿がありました。
私はパニックになりとっさに包丁を持ち父親に包丁を向けました。
本当にとっさだったんです。母親を守ろうって。場は一気に静まり返り。兄は父親をなだめるようにして他の部屋に連れて行きました。
母親は涙ながらに。包丁を取り上げて私を抱きしめてくれました。「ごめんね。ありがとね。」と言って。そのあとは
みんな仲直りして。私は部屋に戻りましたそうすると電話がなりとってみると「家族っていいね僕も家族に…ツーツーツー」
すぐ電話は切れましたがそれより怖かったのは。彼がなくなった時電話で聞いたアニメの声だったんです。
私は携帯を投げて。テェディベアーを抱きしめ下の部屋に一目散で逃げ込みました。
その話を兄に相談してみると。こんな話をしてくれました。「人っていうのはな。悲しい思いとか辛い思いとか。寂しい思いをするとな。そういうものを自分自身で作ってしまう力があるんだよ。だから決して私は一人だ。私を支えてくれる人なんて居ないなんて思っちゃダメなんだよ」それを聞いた時は理屈だ綺麗事だ。つまらない。なんて思ってましたが今は本当にそのとうりだとおもえるようになりました。
話しに戻りますがその三ヶ月後くらいに電話がなりとってみると死んだはずの親友でした。
内容は「久しぶりーまだ生きてたの?いつ死ぬの?あんた彼氏出来たの?また彼氏頂戴よ。」とかそんな言葉攻めでした。その質問に対して私は笑いながら最近の話をしたり楽しく話をしてました。
その時冷静に戻りあれ?死んだはずじゃなかったの?とおもいました。
急に怖くなり電話を切って。座り込み「どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。どうして。」とうつ病のように膝を抱えてました。
その時目についたのがテェディベアー。
一秒もかからない間にテェディベアーを強く抱きしめて「怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて」と何度も何度も言っていた記憶があります。
それから4時間くらいそんな事を言っていて。
下の部屋の母親に呼ばれしぶしぶ下の部屋に行きました。
今日は残業で父親が帰ってこれないし。
兄は友達の家に泊まるし。
お母さんは友人の引っ越しの手伝いに行くから家を開けるわ。一人になるけどよろしくねという。内容でしたでもあんな電話がかかってきて。鬱病になりかけて。
一人で入れるはずはありません。友達を片っ端から誘い出し友達三人OKをくれました。
そして4人で楽しく恋話をしていた時また電話がなり登録名には親友の名前が…その時いた友達三人もびっくりした様子で、「取らないの?」「死んだんじゃなかったの?」「いつから?」三人からの言葉攻めに同様を隠せず。今日の。昼間電話がかかってきて。鬱病になりかけたことを話しました。
そうすると友達は「なんで話してくれなかったの?」「いつでもいいなよ。いつだって来てあげるんだからね」「今日は私達いるんだから大丈夫よ!」など慰めてくれました。
皆お酒を飲んでいたこともあってテェディベアーを触ったり話しかけたりとテェディベアーにちょっかいをかけるようになり。
皆で抱っこしあったりしてたんですが一人の子が「嫌がってるよ。睨まれたもん。早くどっかやってよそんな気味悪くま」すごいけんまくで怒鳴りだし。
私達三人はおどおど状態
すると「ごめん。こんなこと言おうと思ってなかったのに…勝手に…」
私はまだおどおどしてたんですがA子が「乗り移られた的な?」とか言い出して
怪談話になり。
最終的には。A子「このテェディベアーでかくれんぼしない?」
B子「え?」C子「やばくない?」
A子B子C子は乗り気私は絶対反対。だったのに。三人一致一人あぶけるとうまく行かなくなると思って嫌だったんで。賛成だよーといいました
だってこのテェディベアーなら大丈夫。私の大好きな親友なんだもんと安心もあり。しぶしぶやってみることに。
やり方はひとりかくれんぼと同じ。
口に塩水を含み見つかりそうになったら口に含んだ塩水おかける。そしてテェディベアーに傷を付けたくなかったので。お腹に米や包丁は刺さず。横に塩と包丁を置いて。一人一人違う場所に隠れるのは嫌だったので
A子と私。B子とC子。のふたてに別れることにしました。
私の家は古くて異常に広いので少し不安でしたがA子の支えで安心感もあり。
押入れの上の天井裏の隅に隠れてると。
突然「どこ行っちゃったの」と電話のアニメ声が聞こえました。
私は叫びそうになり必死にA子に口を塞がれながら。もがいていました。
アニメ声の子「はやーくー出ておいでー。」
A子「やばくねぇ?」私「んんんんんんんん」
アニメ声の子「てへへへへいつまでかくれてーるのー?」
A子は気が狂ったのか天井裏のふすまを少し開き言葉を失っていた。
その反応に私も我慢できず覗くと。テェディベアーが包丁を持って。私達を探しまわっていた。
あのアニメ声テェディベアーだったんだ。
彼を殺したのも親友を殺したのも母親が父親に殴られたのも。すべて。あいつが。。。
私は怖さや不安じゃなくて。
信じていたテェディベアーが犯人だった事に悲しくて。泣いた。
A子が鼻をすすった時
「グズ」運悪く音が出てしまった。
「ギョロ」テェディベアーは私達のいる方に近づいてきた。
私はヤバイヤバイヤバイ殺されるどうしよ。どうしよ。とパニックになった。
その時。テェディベアーがつぶやいた。。テェディベアー「本当は僕が欲しかったんじゃなかったにね」
その時思い出した。
テェディベアーをもらった時
心の中で本当はワンちゃんが良かったのに。なんでこんな茶色の平凡なくまなのって。そんなこと思っちゃダメだったんだよね。
そんな事を思ってる時ふすまにテェディベアーの手が伸びた。
あっ。見つかる殺される。覚悟を決めた時
「ただいまーお兄ちゃん居なくて泣いてただろ?ケーキ買ってきたぞー」
兄が帰ってきたそう思った時。
ふすまを開けて飛び降りて兄の元へ走って。泣きながら抱きついた。A子もB子もC子も兄にしがみついていた。
あんまり、記憶はハッキリしてませんけど。テェディベアーは元いた場所に米と包丁と寝ていました。
その後テェディベアーの処分も考えましたが。何故か出来ず。「今までありがと。私は一人の力で生きていきます」とつげて
押入れにいれたまま。
それから5年前が立ち私はデキ婚して2歳になる息子がいるのですが。
息子がテェディベアーを引っ張りだして。テェディベアーに話しかけていました。
最初はヤバイと。思いましたがやっぱりテェディベアーの顔をみると安心してしまい。
テェディベアーを信じてる私がいます。だから注意はしません。
あと彼氏と親友には本当に今では謝りきれないほど悪いことをしたと思っています。
でも。。。あのテェディベアーが居なければ今の私はきっと。。。もぉいなかったと思います。
感謝を胸に息子とテェディベアーが遊んでいるのを見つめて。「お人形さんだからって舐めてると痛い目見るのよ」とつぶやくこの頃。
皆さんも。くれぐれも。お気をつけて。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(20件)
コメントはまだありません。