
長編
吊るも這うも轢かれる。
匿名 3日前
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の話に違和感を覚えた。女は両親を殺して首吊り自殺をした。
けれど、その女は確か・・・
「でもさ、それっておかしくない?」
「あ?何が??」
「足も動かないのにどうやって首を吊るすんだよ」
「どうやってって。そりゃお前・・・・」
と、Kが何か言おうとしていたその口が止まる。ぞわり、と冷たいものが僕の首筋を撫でた。
それはまるで、大きなつららを直接背中に当てられた様な感覚だった。足から頭まで全身鳥肌が立つのが分かった。
僕とKは、ほぼ同時に二階の窓を見上げた。二階の一室の窓が、徐々に開いていた。ゆっくり、音もなく
隙間に女の顔が見えた。
髪がぼさぼさ、大きく見開いた目が僕ら二人を見据えていた。
窓は開く。隙間が広がりその首にロープが見えたその時。女は一気に僅かな隙間から外へと身を乗り出した。
女が、頭から落ちる。途中で、その首に巻いてあったロープが落下を食い止めた。
がくん。と女の身体が上下に反転し、二階の窓を支点に振り子運動を始める。
ぶらん、ぶらん。
枯れ木のように細い足。その手には、ナイフらしきものが握られている。一つ、二つ、三つ。その身体が痙攣した。
ナイフが手から落ちる。その手が宙を掻く。音は何もない。
その内、女の両手がだらりと下に垂れさがった。口が開き、真っ赤な舌がその中に覗いていた。死んだのか。死んでいるのか。
しかし、眼だけは未だにこちらをぎょろりと見据えていた。
僕の口から、何か悲鳴のようなものが出ようとしていた。
と、僕の首筋に冷たいものが当たった。
「ふやぁっ」
僕はついに悲鳴をあげて、実際に飛び上がった。雨だった。
しかし、雨のおかげで一瞬だけだか気がそれた。それから、はっとしてまた二階を見上げるが、そこにはもう何も無かった。
首を吊った女の姿も、窓も閉まったままだった。
「ああやって、首を吊ったんだとよ。」
隣を見るとKは、笑っていたが、無理をしている笑いだと一目でわかる。
でもその時は僕も同じ笑いを返していたに違いない。
なるほど確かに、あの方法なら足が不自由でも首が吊れる。凄いのを見たなと。僕がKに言おうとした時。
ーーードサリーーー
僕とKは、また、ほぼ同時に反応した。
何かが落ちた。塀の向こう側。霊がそれから、ズル、ズルと布が擦れる音。先ほど見た首吊りには音が無かった。
しかし、今度は音だけがある。僕とK、それとSの乗る車の間にある
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- 小説みたいな語り口調やな 文才はあるであ
- 何もなくて良かったね俺氏
- 事故で足が動かなくなった sがのっていた車で女を引いた=事故talu
- 文章書くのが上手すぎる!めっちゃ面白い!飽きない!しかも怖い!もっといろんなこと投稿してほしいです!りこ
- 天才ヤバイ-w-wあり
- すげーまじかみ 天才だわウェイウェイ↑
- ↓↓↓ 車のライトって わかるよね?K
- ↓↓↓ 車のライトって わかるよね?K
- どうやって、ひかりがめにくらむのかな?夢幻
- 怖面白ーい!まっぴー