
最近、私はある冬の夜、学校からの帰り道について考えることが多い。授業が早く終わったその日、私は何となく寄り道をすることにした。普段通らない山道に目を向けると、薄暗い木々が立ち並ぶ先に、気になる道があった。
足を踏み入れると、寒気が背筋を走った。道は狭く、周囲は静まり返っている。何かが私を引き寄せるような感覚を覚え、興味本位でそのまま進んでいった。
すると、突然視界の隅に人影が見えた。彼女は白い髪をしていて、長い赤いコートを羽織っていた。その女性は、ゆらゆらと揺れながらこちらを見つめている。私の心臓は早鐘のように打ち鳴り、恐怖に足がすくんだ。
逃げようと振り返るが、道はいつの間にか迷路のように変わっていた。元の道に戻ろうとするも、何度もその女性の姿が目に入る。彼女の笑い声が耳に残り、次第に身の毛がよだつような感覚が増していく。そんな時、私が持っていた木のお守りが突然砕け散り、周囲に響くような女の唸り声が聞こえた。
「うぅぅぅぅ!」
驚いて振り返ると、そこには自分の家があった。混乱しながらも、母の声が聞こえてきた。
「おかえり、今日はどうだった?」
ホッとしたのも束の間、目の前に落ちていたのは兄の携帯電話だった。彼が失踪したその日、何かが起こったのだ。掲示板に途中まで書かれたメッセージが表示されていたが、内容は不明だった。母はその日、兄が帰ってこなかったと言う。私の頭の中には疑問が渦巻く。兄はどこへ行ったのか、あの女性は一体何者だったのか。すべては謎のままだ。そして、あれから何年も経った今でも、兄は戻ってこない。私の心に残された影は、いつもその赤い道の向こうにある。何が本当で、何が虚構なのか、わからないままだ。私はただ、帰り道の恐怖を胸に抱えながら日々を過ごすしかない。
「兄は、どこにいるの?」と、携帯のメッセージが心の奥で鳴り響く。
私の中で、何かが崩れ去る音がした。
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