
長編
視線を感じる
えい 3日前
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うかなぁ?お母さんが家で一人で居る時には無いの?」
母親「別に無いけど…?」
莉音「じゃあ気のせいなのかなぁ?」
母親「きっと、そうよ。あんまり気にしちゃだめよ?」
莉音「う…んわかった。」
その時母親は、思春期かな?ぐらいにしか思っていなかった。
そうして…2~3日ぐらい過ぎたある日。
母親が、夕飯の魚の下拵えをしていた時だった。
良く分からないけど、誰かに覗かれている様な、見られている様な感覚があり、後ろを振り返ってみたが、当然、娘達は学校で、父親もまだ帰宅する時間ではなかった為、気のせいかと思っていた。
そして、まな板へ視線を戻すと、また視線を感じる感覚がわき上がって来た。
しかし、気のせいと思い直し魚の下拵えを続けた。
そして、つい2~3日前にも莉音が誰かに見られてるみたいな感じがしたと言っていた事を不意に思い出し少し怖くなり、さっと下拵えを終えて、庭に植えた花に水をやりに外へ出た。
外に出ると、見られているという感覚は、全くしなかった。
恐る恐る家の中に入ってみたが、視線は感じられず、その後は、洗濯物をしまったり、夕飯の支度をしたりと家事をするうち、視線を感じていた事はすっかり忘れてしまっていた。
皆で夕飯を済ませ、テレビを見ていると、詩音がやたらと後ろを振り返る事に気付いた母親が聞いた。
母親「詩音?どうしたの?」
詩音「あ…うん…なんでも無いの気にしないで。」
と、答えた後も数回部屋を見渡す仕草をしていた。
そんな事があってから、2年が過ぎた頃、詩音の様子がすっかり変わってしまった。
詩音が制服が可愛いからと受験した高校に受かり、入学当時は、喜んで毎日通っていた学校も今では、保々行かなくなってしまった。
田舎町という事で、詩音が不登校になった事は、瞬く間に噂として広まり、益々、詩音は外に出る機会を失っていた。
其れ処か、部屋のカーテンはいつも閉めっぱなし、手鏡や好きだったアニメのフィギュアが入っていたケースにまで、新聞紙を貼り付けてしまっていた。
一日中部屋にこもり、食事も部屋で済ます事が多くなって、家族で食卓を囲む事は無くなってしまった。
たまにトイレに出てくるが、しきりに周りを気にしながら、怯えた顔をして、ビクビクしながら用を済ませ、再び辺りの様子を伺いながらキョロキョロと辺りに目を向けながら、部屋に入って行く。
最初は、高校で何かあっ
後日談:
- 話の流れでは、莉音が先に気付いた様に書きましたが、実は詩音の方が先に気付いていた様です。 誰にも言わなかったと言ってました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 紫雲さん、相変わらずの読み手がまるで そこにいるような臨場感でゾ〜…っとします。怖いですね。 続編 楽しみに待っています。K
- 小説のように分かりやすく背筋が凍るような怖い話でした。原因は呪物のようなものでしょうか?続きが気になります。ななみん
- 勝手に読んで、勝手にストレス感じて、それをわざわざ書き込むとか、暇人にも程があるな。ポルポトはサル
- 初めて読んだけど文脈がおかしかったりして少しストレスを感じた・・・あい
- このご時世だとコロナ関係で医療関係者は忙しいですが、『病は気から』というように霊能力関係でもコロナ影響はあるんでしょうかね? 人様の死を願う呪いは幾多もあることですし通りすがりの喫煙者
- 紫雲さんのお話大好きです。続き楽しみに待ってます。あい
- 続きが気になります陸奥
- 霊道ってどうすれば対処できるんだろう? 先の話が気になりますね。 楽しみにしてます。たくまん
- かなり怖かったです…ゾゾっと来ました。しゆか