
友人たちと集まって、廃墟の遊園地に行くことになった。話題は自然と怖い話に移り、みんなの心を惹きつける。もちろん、条件はただ一つ。「実際に起こった出来事に限る」というルールだ。
俺はこのルールを守るため、過去の出来事を必死に思い出そうとした。だが、心霊現象に出会ったことなどなく、ただの幽霊スポット巡りに終わっていた。
だが、ある晩、俺は不気味な夢を見る。夢の中で、遊園地のメリーゴーランドが回り続け、そこには無表情の人形たちが並んでいた。その光景に目が覚めると、実際に体が動かなくなっていた。金縛りだ。目を開けると、夢の中の人形たちが現実に立って、俺を見下ろしていた。思わず叫び声を上げたが、声は出なかった。恐怖でいっぱいの中、彼らはじっと見つめていた。
数分後、金縛りが解けると、俺は急いで友達に電話した。「すごいことがあったんだ!」と興奮気味に話すと、彼らは「それ、マジでやばい!」と驚いてくれた。俺はその瞬間、ようやく恐怖体験を手に入れた気がした。
その後、俺の友達は様々な恐怖体験を次々に語り始めた。幽霊に追いかけられた話や、遊園地の伝説など、どれも刺激的で、内心俺は嫉妬していた。そこで、俺も新たな話を作り始めた。無表情の人形が夜中に動き出す話や、遊園地のトンネルでの恐怖体験を語ると、友達たちは興味津々で聞いてくれた。
だが、次第に俺の創作話は飽きられ始めた。友達は次第に俺の話に対して興味を失い、真剣に聞いてくれなくなった。俺は焦った。もっとリアルな体験を作り出す必要があった。
そこで、俺は自分の手を思い切り絞めて、首に跡を残した。「これ、見て。遊園地の人形に襲われた!」と写真を送ると、友達は「これ、本当に怖い!」と反応してくれた。そんなやり取りが続くうちに、俺の心の中に恐怖が芽生え始めた。自分で作り上げた恐怖体験は、いつしか本物のように感じられるようになっていた。
友達は心配し始め、「もうやめよう」と言ったが、俺はそれを無視した。恐怖を感じるために、どんな手段でも使った。今、俺の目の前にいる無表情の人形たちが、現実なのか幻なのか分からなかったが、構わなかった。なぜなら、これからも恐怖の物語を語り続けることができたからだ。
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