
中編
おばあちゃんの最期
匿名 2018年7月20日
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これは、わたし的に怖良い話と思って書きます。
なので、こわっ!とは思わないと思って興味のある方は読んでください。
これは、父方の祖母のお話です。
おばあちゃんとは、私が小2の時から一緒に暮らしていました。
母親はお姑さんという立場で色々苦労はしたようですが、小さい私にはそんな事情は知らないわけで、色んなことを教えてくれるおばあちゃんが大好きでした。
それから月日が経ち、両親も共働きという事もありいつしかおばあちゃんが母親代わりになっていきました。
特に、高校生になった姉は反抗期がひどく、よくおばあちゃんと喧嘩してました。
もちろん、私もおばあちゃんに当たるような時もあり、心の中ではごめんと思っていても苛立ちを隠せないそんな日々が増えていきました。
そんな日々の中である日、
父親がおばあちゃんを連れて親戚(本家など)の所に遊びに行くと言い、出掛け帰ってきたら、
「いやー!!すごかったよー!会いたい人みーーーんなに会えたんだからぁ!!本家の人にしか急だったから行くって伝えてなかったのに、あの人にもあの人にも逢えて、涙出ちゃったよーー!」
と、とっても嬉しそうなおばあちゃん。
父も冗談で、
「本当に怖いくらい普段会わないような人達とも会えたからこりゃばあさんもうすぐ逝くなー!笑」
なんて笑ってました。
それから数日後、おばあちゃんがトイレで激痛に襲われ倒れました。
すぐに救急車で運ばれると、
胆嚢がんの末期と宣告されました。
本当は前々から痛みに耐えていたようで、昔の人だから、このくらい我慢と思って家族には一切言ってなかったようです。
それからおばあちゃんが弱っていくのは
とても早かったです。
みるみるうちに黄疸で全身が真っ黄色。
ベットに横たわるおばあちゃんを見ているのがすごく辛かったのを覚えています。
そして、、家族みんなに看取られおばあちゃんは息を引き取りました。
親戚中と会えて1年経たないで。
やっぱりあの時みんなに会えたのは、最期に神様が逢わせてくれたのかな、って。
そう家族は思いました。
おばあちゃんが息を引き取って、父親は今まで見た事のない顔で声で泣き叫んでおばあちゃんの体にうなだれてました。
夜中の2時過ぎ。
父親は、親戚に電話を掛けれる状態ではなかったので、私と姉、母親で手分けして親戚にその場で電話を掛けました。
すると、
驚くことにそれぞれ電話を掛けた先の人達はみんな起きていたんです。
夜中の2時すぎなのに。
そして、全員が第一声口を揃えたかのように
「今、電話掛かってくると思って起きて待ってたよ。
だって、おばあちゃんがお辞儀して挨拶しにきてくれたから」
と。
母親と姉と3人で、
おばあちゃんは最後まで律儀な人だったんだね。みんなに挨拶していくなんて。と涙ながらに微笑み合いました。
心からすごいなって、なんだか悲しい気持ちと誇らしい気持ちが合わさった不思議な感情でした。
それから一周忌が終わるまで、不思議な事が私以外の家族に起きたのですが、これもまた怖いよりも暖かいと思える怖良い話になると思いますので、また今度書きますね。
本当に、今でもこの時の事を思い出すと、なんだか言葉にするのは難しいですが、ほっこりするような温かい気持ちになります。
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