
大学の仲間たちと冬の深夜、ドライブを楽しんでいた。途中、古びたトンネルを通りかかると、道端に奇妙な石像が立っているのに気がついた。石像は不気味な笑みを浮かべており、地元で語り継がれる「不幸をもたらす石像」の話を思い出した。私はそんなものはただの迷信だと思いながらも、少し不安を覚えた。
友人の一人が「せっかくだし、近くで見てみよう」と提案した。半分冗談のつもりだったが、みんなは興味を持ち始め、車を止めてトンネルの出口に向かった。真夜中の静けさの中、石像の近くに立つと、ますますその表情が不気味に感じられた。誰かが「触ってみよう」と言い出したが、私はそれに反対した。「やめたほうがいい、何か起きるかもしれない」と警告したが、結局誰かが石像の頭を軽く叩いた。
その瞬間、耳をつんざくような音がトンネル内に響き渡り、友人たちは驚いて後ずさりした。周囲は静まり返り、何も起こらないかと思ったが、数分後、トンネルの向こう側から車のヘッドライトが見えた。すぐさま私たちは車に戻り、急いでその場を離れた。
次の日、ニュースを見て愕然とした。トンネル内で大事故が起き、数台の車が衝突したという。運転手たちの証言によれば、事故の瞬間、トンネル内に不気味な叫び声が響いたという。私たちが石像を触った時の音が、その声だったのかもしれない。驚いたことに、石像を叩いたことを覚えているのは私だけで、他の友人たちはその記憶が薄れてしまっていた。
私たちは再びトンネルに行くことにした。果たして、石像はそのまま立っていたが、今度はその表情が何かを訴えかけるように感じられた。私たちの心に、恐怖が静かに忍び寄っていた。何かが、確実に起こる予感がした。私たちの行動が、何かを引き寄せてしまったのかもしれない。帰る道中、誰もが無言だった。あの声は、私たちを待っているのだろうか?
その後、友人たちは一人、また一人と音信不通になっていった。最後まで残った私も、あの石像のことを思い出す度に、心の奥に潜む不安が大きくなっていくのを感じる。トンネルを通るたびに、あの不気味な笑みが脳裏に浮かぶのだ。何が待ち受けているのか、誰も知らない。
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