
長編
引っ張る声
匿名 3日前
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母と歩く時、私はいつも祖母に腕を貸している。
祖母がよたよたと歩き始めるのに合わせて、私も足を踏み出した。
その時、不意に祖母が一瞬だけ歩くのを辞めて、立ち止まったのを私は感じた。
少しだけ顔を後ろに背けそうになって、しかし祖母はまたゆっくりと歩き始めた。
祖母はその時、声を聞いたのだろうか。
ゆっくりと近づいてくる声を。
その声は今 祖母からすればどのあたりから聞こえてくるのだろうか。
前回が病室のすぐ外だとしたら、今ではもう祖母のすぐ後ろから声は聞こえているのではないだろうか。
後日談:
- 七品です。 現在、祖母はまだまだ元気に活動しています。時々体調を崩す事もありますが、この話を聞いてから私も率先して祖母の体調を気遣うようになり、今のところ病院のお世話になるような事はありません。 声に関しても祖母曰く、入院しているとその時は気持ちが沈むから何となく、そう聞こえてしまうのかもしれないと本人は笑っていました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 実家で看取った私の母は「次兄が迎えに来ると言ってるの。次兄と一緒に行くから上着を探さなきゃ」と言って、渾身の力を振り絞って起きあがろうとしました。死を恐れる様子は全く見受けませんでした。病院だと変な死神も来るから、警戒せざるを得ないですね。防空頭巾
- お元気で良かった!通りすがり
- 黄金虫様、コメントありがとうございます。これからも細々と投稿して行きたいと思います(^.^)七品
- 七品さんの話とても好きですwもっといろいろ投稿してください!黄金虫
- ボルゲーノ様、たま様、コメントありがとうございます。 幸い祖母は今の所元気です(^-^)七品
- お祖母様がいつまでもおげんきでありますように。 お大事になさってください。たま
- これ実話だと思います。たぶん笑ボルゲーノ