
私が新しく勤め始めた古い図書館は、近隣の山の地下に広がる洞窟の上に建っています。
この場所で働くのは、特別な感覚を持つ人には難しいらしく、よく人が辞めていきました。
私は何も感じたことがなかったのですが、特に地下にある書庫が不気味だと言われていました。ある日、初めて入った新入社員の先輩女性は、「こんな場所で働けない!」と叫んで、その日のうちに辞めてしまったのです。
その書庫の奥には、古書を保管するための重厚な扉がありました。先輩がその扉を開けると、まるで時が止まったかのような異様な静けさと湿気が漂い、何かが待っているような恐怖感がありました。
先輩はその瞬間に「この先には、本物の“影”がいるかもしれない」と言って、妙に楽しそうに笑っていました。その表情が今でも忘れられません。
しばらくして、私はその図書館を辞めることにしました。すると数日後、知り合いの後輩から連絡がありました。
「先輩、図書館に来なくなったと思ったら、失踪しちゃったみたいです。」
その先輩のことです。
「失踪?どこに行ったんだろう…」と尋ねると、後輩は一瞬ためらいながら言いました。
「分からないけど、もしかしたら…」
「ねえ、その話はやめようよ。私たち同じことを考えている気がするから。」
「そうですね…やめましょう、はは…」
その先輩、本当にあの扉の向こうに行ってしまったのかもしれません。影の世界に…。
不気味な静けさが、今も私を包み込みます。
あの影は、私を呼んでいるのかもしれません。
私の心の奥で、恐怖が目を覚まし始めています。
恐ろしいことは、あなたのすぐそばにあるのです。
その影が、いつ私の前に現れるのか。
それが、私にとっての新たな恐怖の始まりです。
あの扉を開けることが、次の選択肢になるのか。
それとも、ただの悪夢に過ぎないのか。
後日談:
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