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二月の終わり、湾の風がまだ硬いころに、それは配られはじめた。漁協の窓口に積まれていた薄い冊子で、表紙には青い波の絵と、小さく町内向け無料とだけ印刷されている。潮位表にしては洒落ていて、ページの端にミシン目が走っていた。切り取ると栞になる。潮のしおり、と裏面に書いてある。 僕は養殖いかだの点検...