
冬の夜、雪が静かに降り積もる中、私は自分の部屋の窓の外に目を向けた。そこで見かけるのは、黒い影のような存在、友達のシオリだ。彼女はいつも外で遊んでいる。私たちがマンションの中でゲームをしている間、シオリは外で待っているのだ。兄は私の話を聞くと、眉をひそめて言った。「シオリなんて子はいないだろう、外に誰もいないんだから。」その言葉に私は驚いた。確かに、シオリはいつも外で遊んでいるのに、兄には見えていないのだ。
次の日、私はシオリと一緒にかくれんぼをした。彼女は隣のマンションに飛び移ったり、空を飛んだりしていたが、私はただ彼女の動きを追うだけだった。学校では、友達にその話をしてもみんな信じてくれなかった。先生は「シオリは実在しない、あなたが作り出した友達だ」と言った。お母さんも同じように笑って、「想像上の友達ね」と言った。
それでも、私はシオリと遊び続けた。彼女は私に楽しいことをたくさん教えてくれた。しかし、時折、彼女の影が薄くなっていくのを感じた。ある晩、兄が私に言った。「お前、シオリと遊ぶのをやめろ。見えないものにこだわるのは良くない。」その言葉に、心のどこかで不安が広がった。
そして、ある冬の夜、私は外を見た。シオリはいつもの場所に立っていたが、今度はまるで私を呼ぶかのように、手を振っていた。その瞬間、何かが私の中で崩れた。シオリはもう影ではなく、私が見えないものを追い求めた結果、実体を失っていたのだ。
次の日、私はシオリを探しに行こうと決めた。しかし、兄が私を止めた。「もう遅いんだ。シオリはもういない。」その言葉が私の心に刺さった。私は彼女のことを忘れたくなかったが、すでに彼女は私の目の前から消えてしまっていた。
今でも時々、窓の外を振り返ると、あの影が見える気がする。もしかしたら、シオリはまだそこにいるのかもしれない。私が彼女を思い出す限り、彼女は私の中で生き続けるのだから。だけど、もう二度と彼女と遊ぶことはできない。影を追いかけることは、私自身の影を失うことに繋がるのだと、今は理解している。
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