
冬のある夜、大学のゼミ仲間からの誘いで、山の中にある宿に泊まることになった。友人たちと一緒に行くはずだったが、部屋割りの都合で一人になってしまい、少し孤独を感じていた。ふと、仲間の部屋を訪ねることにした。
ドアが開くと、友人が笑顔で迎えてくれたが、何かが違った。彼は酔っているようで、視線が定まらず、ふらふらとした様子だった。「大丈夫か?」と問いかけたが、彼はただ黙っていた。部屋に入ると、目の前に広がる異様な光景に驚愕した。友人の顔は青白く、首筋には赤く腫れた手形がいくつも刻まれていた。
その瞬間、背筋が凍りつく感覚が走り、何か恐ろしいことが起こったのだと直感した。友人の意識は完全に飛んでしまっている。急いで携帯を取り出し、救急車を呼んだ。救急隊員が到着し、状況を説明すると、彼は病院に運ばれた。
運悪く、友人は意識を失っていたが、幸いにもすぐに目を覚ました。検査の結果、異常は見つからなかったが、彼は入院中ずっと悪夢にうなされていたという。夢の中で、見えない何かに首を絞められていたと語った。
その後、友人は海を恐れるようになり、連絡を取ることもなくなった。彼は今でも、あの山間の宿の悪夢に囚われているのだろう。あの手形は一体、何を意味していたのか。どこかに潜む恐怖は、今も彼を追い続けているに違いない。彼と連絡を取ることはできなかったが、あの海の影が、彼の心に深く刻み込まれたことは確かだ。恐怖は、時に人の心を永遠に支配するのだ。
そして、彼は今でも夢の中で、あの手形の持ち主に追われ続けているのかもしれない。真相は分からないが、彼にとっての海は、もう二度と近づくことのできない恐怖の象徴となったのだ。
その後も、時折友人のことを思い出すことがあるが、彼の心の中に潜む影は、恐らく消えることはないだろう。無邪気な笑顔の裏に隠された、恐ろしい真実を知る日は来るのだろうか。
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