
高校生の頃、友人たちと肝試しをしようと決めたのは、今から約5年前のことだ。舞台は地元の廃工場。噂によれば、そこでは以前不幸な事故が起きたらしい。私たちは興味本位で、その場所に足を運ぶことにした。
寒い冬の夜、私たちは薄暗い工場に向かう道を進んでいた。道は人通りのない住宅街を抜け、古びた工場の周囲にたどり着く。工場はうっすらと月明かりに照らされ、まるで何かが潜んでいるかのように不気味だった。
中に入ると、周囲には古い道具やさびた機械が散乱しており、悪臭が立ち込めていた。真っ暗な内部で、私たちは懐中電灯の明かりを頼りに探索を始めた。すると、ふとした瞬間、誰かの視線を感じた気がした。
「ねえ、みんな…誰かいる?」と私は言ったが、友人たちは笑って「気のせいだよ」と返した。私たちはさらに奥へ進んでいくことにした。徐々に不安が高まり、笑い声も減ってきた。
しばらく進んだ後、突然友人の一人が何かに気がついた。「ここ、さっき来た場所じゃない?」と指摘する。確かに、周囲の景色は同じだった。私たちは一瞬、意気消沈したが、再度進むことにした。
しかし、何度も同じ場所に戻ってくる。明らかに道を間違えている感覚に包まれ、次第に不安が募る。「もしかして、この工場には出られないのか?」と誰かが呟いた。冷たい汗が背中を流れる。
それでも私たちは、必死に出口を探し続けた。やがて、友人の一人が小さな通路を見つけた。「ここから出られるかもしれない!」と声を上げ、みんなでその道に入った。薄暗い通路を進むと、突然明るい出口が見えた。
ほっとした私たちは急いでそこから出た。しかし、外に出た瞬間、背後からまた視線を感じた。振り向くことはできず、私たちは無言でその場を離れた。
数年後、地元の友人にその話をしたところ、「あの廃工場は心霊スポットで有名。夜は絶対に近づかないほうがいい」と言われた。帰り道、またあの鋭い視線が背中を刺すように感じ、振り返ることができなかった。
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