
目に見えない恐怖なんて信じていなかった私が体験した、奇妙な出来事です。
社会人になってちょうど3年目の秋、当時付き合っていた彼と一緒に過ごす場所を決めかねていました。彼は実家でお父さんと二人三脚で暮らしており、私は大学を卒業してからの一人暮らし。彼の家に行くか、私のアパートに来るか、いろいろ考えていました。
一人暮らしの私のアパートにしようかと思ったのですが、彼のお父さんの体調があまり良くないことを知っていたので、少し心配していました。
「お父さん、まだ体調悪いみたいだし、そっちにいてあげた方がいいんじゃない?」と聞いてみると、彼は「大丈夫だって、元気だし」と笑っていました。それで安心したものの、何か気が引っかかるものがあったのです。
そんなやり取りの後、私のアパートで過ごすことになりました。
その日、私たちは駅近くの公園で紅葉を楽しみながら散歩したり、買い物をしたりして過ごしました。夕食にはお寿司とハロウィンのケーキを用意し、楽しい時間を過ごしました。夜遅くまで遊び疲れ、二人で眠りにつきました。
翌朝、静かな部屋で彼の携帯が何度も鳴り響いて目が覚めました。彼は全く起きる気配がないのですが、携帯の音が止まる気配がありません。さすがに気になって、彼を揺り起こしました。「お父さんに何かあったんじゃないかな?」と心配になって言うと、彼は「まさか、何もないよ」と寝ぼけながらも携帯を確認しました。どうやら妹からの連絡のようで、彼はキッチンへ行き、煙草を吸い始めました。
キッチンから彼の声が聞こえてきます。「どうしたの、こんな早くから?」と聞くと、急に声が大きくなり、「嘘だろ!」と焦り始めました。「分かった、すぐ行く」と言い放ち、彼は戻ってきて目に涙をためながら言いました。「お父さんが、亡くなった。」
私は驚き、言葉を失いました。どう表現していいかわからず、彼を抱きしめて一緒に泣きました。妹さんが実家に帰ると、お父さんが亡くなっていたことに気付いたそうです。
彼は急いで実家に戻ることになり、何も言わずに駅まで送ることになりました。「落ち着いたら連絡して」と伝え、車から降りる彼の後ろ姿が見えなくなるまで、私はその場に立ち尽くしました。
帰宅後、前日の片付けをしながら、ふと思いました。私たちが楽しんでいたさなか、彼のお父さんは助けを求めていたのかもしれない。あの日、彼の家で会っていれば良かったと後悔しました。
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