
長編
偽リナキ体験談
まなみ 8分前
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ムセンターの看板が、私の目に飛び込んできました。
衝動的に、私の足は店の中へと向かいました。
手前にあった格闘ゲームの台に腰掛けます。
必死に心を落ち着かせ、冷静になろうと考えたその時、
ゲームセンターの自動ドアが開くのが見えました。
そしてそこには、例の男が居たのです。
バクバクと心臓が鳴り、吐き気すら感じるほど、私はパニックに陥っていました。
ですが何を思ったのか、私はもう一度試す事にしたのです。
あの男の行動を。
財布からお金を取り出します。
コインを投入し、ゲームを開始します。
そして斜め向かいにある、起動していない機台のディスプレイを利用して、そのディスプレイに僅かに映りこむ男を、目の端で追いました。
私の後ろ約3m程、後ろのゲーム機台に、男が腰掛けました。
財布からお金を取り出し、それを投入しています。
軽快な音と共にゲームのスタート音が、後ろから響いてきました。
どうやら男は麻雀ゲームを始めたようです。当時流行っていた脱衣系のものだったと思います。
私はその動きを見計らって、すぐさま席を立ち上がり、店を出ました。
そこですぐに走って帰れば良かったものを、私はまたもやあの男を、最後にもう一度試してみようと考えてしまいました。
こんな恐怖に晒されながらも、私の好奇心はその恐怖を上回ってしまったのです。
私はすぐさま行動に出ました。行き先は決まっています。
商店街の中にある、確かサンリブという名のデパートです。
入り口に入ると、すぐさま目の前にあるエスカレーターに乗りました。
昇った先、2階の踊り場には、ガチャガチャが置いてあります。
当時ガチャガチャにはまっていた私は、これでもやって落ち着こうと考えました。
全ては偶然。自意識過剰な私の早とちりなんだと、思い込もうとしたんです。
けれども、浅はかな私の思いはすぐに、裏切られる事となってしまいました。
あの男です。
エスカレーターに乗って、こちらに昇ってきたんです。
私とは目も合わせず、どこか遠くを眺めるようにしながら、徐々にこちらに近づいてきたのです。
急いでその場を離れました。私は身を隠しながらフロアの隅に移動し、階段を利用して更に上の階へと移動しました。
婦人服売り場。しかも下着売り場に、私は入りました。
私自身は怪しまれる事はありませんが、男性一人がここに来る事はまずないでしょう。
しかし
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- 文章上手いですね。 おもしろかったです。匿名