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短編
長電話
匿名
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匿名
2017年10月25日
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会社の先輩(女性)の、学生のころの実体験。

学校から帰ってみると、家に誰もいなかった。先輩は特に気にすることもなく、父親の三畳ほどの広さの書斎にある電話で友達とおしゃべりを始めたが、その途中で電話相手の友達が何か音しない?といった。

カチカチカチカチと、ちょうど電話機のフックを連打する音に似たその音は先輩の耳にも聞き取れたが、混線でもしてるんじゃない?とあまり気にかけなかった。そのカチカチ音も30秒くらいの間隔で数回鳴り続けた後で止まった。

1時間くらい話したところ、玄関を開ける音がし、録画にドサっと買い物袋を置く音がした母親が帰宅したのかな?と思いつつそれでも喋っていると、背中のすぐ後ろの扉がドンドンドンドン!と凄い勢いでノックされた。「うるさいなあ!もう!」

先輩は、ノックの主は長電話嫌いな母親だと思っていたので、扉をドカッと蹴り返した。ノックの音は止まった。代わりに女の人の声がした。

「でーーーーんわーーーーをきりなさい」

でんわ、の所までは、のびたテープのような低い声。

しかし、【きりなさい】は、逆にテープを早回ししたような甲高い声。

異常に気づいた先輩は怖くなり、友達に頼んでしばらくそのままおしゃべりを続けてもらった。

日も暮れかけた頃、再び玄関を開ける音がし、廊下にドサッと買い物袋を置く音がした。廊下に小走りの足音が響く。ドンドンドン!先輩はもう喋ることもできず、震えていた。扉の向こうで声が上がる。しかし、今度は正真正銘、母親の声だった。

「お父さんが倒れて運ばれたんだよ、こっちは必死であんたに伝えなきゃと思って電話してたのに!」

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