
長編
ケンちゃん
つなか 3日前
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、お酒コーナーへと向かった。
レジ対応したくなかったが、その時間帯は一人勤務だった。
ケンちゃんはカゴをレジに置くと丁寧に、お願いします。と言った。
しかし僕の顔をチラッと見ると、一瞬動きが止まった。
やばい。バレたか。。
次の瞬間。耳をつんざく様な大声で怒鳴り散らかされた。驚きで心音が上がり何を言っているのかは聞き取れない。
口からほとばしる唾が、僕の顔や服に降りかかった。
僕は怖くなって、事務所へと駆け込んでしまった。
監視カメラ越しに、レジ前に立ち尽くすケンちゃんが見える。しばらくケンちゃんは大声で怒鳴っていたが、二人組の職人さんが来店すると、そそくさと帰って行った。
当時の僕や弟は気にならなかったが、今になって、30手前の大人が、赤の他人である小学生と二人きりで、仄暗いエレベーターホールの中でゲームをしていたと考えると、怖いなと思う。
純粋無垢な子供に近づき、性犯罪を犯す大人も多いこの世の中。
果たして彼は善意でやっていたのか、それとも親父が子供を犯罪から守ったのか。
その真相は謎のままである。
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