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長編

ケンちゃん

つなか 3日前
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それを聞くなり、ケンちゃんは嬉しそうに遊びの日程を立て始めた。 まあ、親父とも仲良くしてたし。大丈夫か。 しかし頭のどこかで少し不安だった。 3ヶ月くらい経った時だったと思う。 弟が一人で出かけることが多くなった。 昼の3時から夕方6時くらいまでどこかに遊びに行っていた。 この頃の僕らは一緒に遊ぶことが多かった為、一人でそそくさと出て行く弟に、 「どこいくん?」 と聞くと、 「ケンちゃんとゲームする」 と返ってきた。 「え、ケンちゃんと?二人で?」 「うん。二人だよ。マンションの下でゲームすんの。お兄ちゃんも来る?」 「そっか。。いや、俺は良いや。いってらっしゃい。」 弟は3DSを片手に家を出て行った。 心配だった僕は親父が帰ってきた時、この事を話した。 すると親父はちょっと神妙な顔をし、 「次ケンちゃん来たら言うわ。」 と。 その日の晩御飯の時、親父は弟にケンちゃんのことを聞いた。どこで何して遊んでいるのか。変なことはされてないか。などなど。 弟は、ゲームしてるだけだよ。特に何もされてないし、大丈夫だよと答えていた。 親父は眉間に皺を寄せていた。 それ以降、親父はケンちゃんに冷たくなった。 たびたび怒鳴っている声も聞こえたし、口論になっている時もあった。 そしてある日。 ピンポーン。 インターホンがなるや否や、親父が玄関へと向かう足音が聞こえる。 外は土砂降りの雨。雷も鳴っている。 玄関横の子供部屋から聞こえる親父とケンちゃんの声。何を話しているのかまでは聞こえない。 僕はとても複雑な気持ちだった。 ケンちゃんは、弟と遊んでくれていた優しい大人。その反面、変なことに巻き込まれ手遅れになる前に手を打ちたい親父の考えも理解できた。 しばらくすると、話を終えた親父が部屋に入ってきた。 「もうケンちゃんとは遊ぶなよ。」 弟は少し悲しそうな顔をすると、はい。と小さく答えた。 それ以来、ケンちゃんが家に来ることはなくなった。きっと親父は新聞を取るのをやめたんだろうと思った。 月日は流れ、僕が高校一年生の時。 卒業した中学校の目の前にあるコンビニでアルバイトをしていた僕は、レジでタバコを詰めていた。入店チャイムが鳴り、男の人が一人入ってきた。 「いらっしゃいまs」 言葉が詰まった。ケンちゃんだ。間違いない。 ボロボロの服、だらしなく伸びた髭、やつれた顔と黄ばんだ歯。カゴを手に取ると

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