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欲望の代償(上)

職場に綺麗な既婚女性(Nさん)がいた。
初めて見たときは俺より年下かなって思っていたら、何と44才で俺よりずっと年上だった。
それでいてNさんは仕事ができる上に遅くまで残業しているし、いつも冷静で人間性もピカイチだった。
俺はNさんを「いい人だなー」って思っていたが、そのうち別の意味で「いい人だなー」って思うようになった。
あるときNさんと一緒に進める業務ができて、Nさんと関わる機会が多くなっていた。
一緒に進めるといってもNさんの方が俺の何倍も仕事ができるので、頼りっきりにしたりと迷惑をかけてばかりだった。
それでいてNさんは俺に文句ひとつ言わず、仕事でのミスを黙ってフォローしてくれた。
さらに俺が上司から責められそうになっても、Nさんが庇ってくれたり、一緒に謝ったりと、Nさんには頭が上がらなかった。
そんなNさんには非常に感謝しているが、同時にNさんに対しての特別な感情も強くなってきた。
いつも仕事で助けられながらも、抑えきれない悶々とした気持ち。
どうしようか、このままではおかしくなりそうだった。
そして、俺はあるとき思いきってNさんに告白をした。
「え?でも私、夫も子供もいるの知ってるでしょう?」
普段冷静なNさんが怒っているようにも感じた。当然の反応だ。
「それは分かってます・・」
俺が言うと、Nさんは黙って去っていった。
ああ、嫌われたなって思った。
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