
友人の話を聞いた。ある日、彼女は公園の果樹からリンゴを一つ摘んだ。こちらは小さなリンゴではなく、普通のサイズのリンゴだ。
彼女はリンゴを真っ二つに切ったとき、妙な感触を覚えた。果肉の間から何か硬いものが感じられたのだ。目をやると、なんとリンゴの中には小さなメモが挟まっていた。
そんなことがあるのか?包丁に付いていたのか、それとも誰かが意図的に入れたのか。果物に穴が開いている様子はなかった。
メモは折り畳まれていて、二つになったのはそのまま切れてしまったからだ。
果たして何が書かれているのかと、彼女は興味をそそられ、メモを広げてみた。そこには、女の写真が印刷されているように見えた。切り取られたため、正確には誰かは分からない。
気持ち悪さを感じたが、好奇心が勝ってしまった彼女は、二つのメモを合わせてみることにした。
「うわっ…」
写真に写っていたのは、無表情でこちらを見つめる母親の顔だった。
混乱が彼女を襲った。何とかこの場からその写真を排除したくなり、彼女はそのリンゴを持って外に出て、道端に投げ捨てた。
その数日後、彼女の母が突然倒れ、病院で亡くなった。彼女は二度と果物を買わないと決めた。果物には、何か恐ろしいものが隠されている気がしてならなかった。彼女の心に残るのは、リンゴの中の異物と、母の無表情な顔だけだった。彼女の中で、その恐怖は決して消えることはなかった。彼女はもう二度と果物を口にすることはないだろう。たとえそれが無害に見えるものであっても。
果物の中には、果たして何が潜んでいるのか、彼女にはわからなかった。恐怖は、果物の外見を超えて存在するのだ。
果物はもう、彼女には手の届かないものとなった。彼女はただ、異物を持った果実の恐怖を忘れられないままでいる。彼女の心には、あのリンゴの影がいつまでも残り続けるだろう。
果物の中に潜む異物は、彼女の記憶の中で永遠に生き続けるのだ。
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