
数年前、私は兄と一緒に北欧の町を訪れた。そこでは、地元の人々が『ヴァイキング祭り』を開催しており、様々な伝統的な衣装や料理が並べられていた。祭りに参加している人たちの中には、ヴァイキングの衣装を纏った人々もいて、異国の文化に触れる楽しさに胸が躍った。
その時、場の雰囲気が一変した。突然、歓声が上がり、私たちの視線を引きつけたのは、一人の女性だった。彼女は重厚なヴァイキングの衣装を身にまとい、まるでその時代からタイムスリップしてきたかのように見えた。私たち兄妹は、周囲の人々と共に彼女との写真を撮ることにした。
彼女は50代くらいの背の低い女性で、いつも微笑を浮かべていた。しかし、その微笑みはどこか異様で、目の奥に不気味な影を感じた。
それから数年後、兄から連絡が来た。祭りの思い出を振り返っているうちに、撮った写真を見直したという。そして、驚愕の事実が待ち受けていた。あの女性の顔が、明らかに別人のように変わっていたのだ。
彼女の微笑みは消え、目は鋭く、憎悪に満ちた表情に変わっていた。私も自分の写真を再確認し、記憶の中での彼女の柔和な印象は崩れ去り、般若のような恐ろしい顔が映し出されていた。あの時、何が彼女に起こったのだろうか? まるで過去の記憶が、時間と共に彼女を歪めてしまったかのようだった。私たちはその不気味な変化にぞっとし、再びその町を訪れることはなかった。過去の祭りの影が、今もなお私たちを追いかけてくるように感じた。
その変化を思うたび、私たちの心には不安が広がる。時間が人を変えることもあるのだろうか? それとも、何か別の力が働いていたのだろうか? 何もかもが、まるで夢の中の出来事のように思えてならない。私たちの記憶の中で、彼女はいつも笑顔のままなのに。何が現実で、何が幻なのか、もはやわからない。
私たちはただ、その不気味な思い出に囚われるしかなかった。
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