
ネトウヨや歴史修正主義者が湧きそうだから今まで黙ってたんだけど、自己責任論が蔓延るこの息苦しい日本社会に一石を投じるために、あえて投下する。
ちょっと長くなるけど、マイノリティへの想像力がある人だけ読んでほしい。
数年前、私はフリーのルポライターとして、某県山間部にある廃村を訪れていた。
そこは、かつて国と大企業が結託して進めた無謀なダム開発の犠牲になり、札束で頬を叩かれるようにして共同体を破壊された棄民の村だ。資本主義と国家権力の暴力性を告発する記事を書くための取材だった。
村はすでに草木に飲み込まれつつあったが、かつての村長の家だけが、権威主義を象徴するように異様に立派な姿で残っていた。家父長制の権化のようなその日本家屋を探索していたとき、私は床下の隠し扉を見つけた。
カビ臭い地下室に降りると、そこには目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
壁には無数の爪痕。そして、中央には古びた木箱と、その上に和紙で綴じられた一冊の古い帳面が置かれていた。
帳面を開いて、私は全身が怒りで震えるのを感じた。
それは戦前・戦中から続く、村の権力者による、あまりにもグロテスクな儀式の記録だった。
村が飢えたり、疫病が流行ったり、あるいはお国のために出兵した男たちの武運長久を祈る際、彼らは村の中で最も立場の弱い者たち——貧困層の女性、朝鮮半島や大陸から強制連行されてきた労働者、あるいは村八分にされたマイノリティを、この地下室に監禁していたのだ。
そして、彼らに凄惨な暴力を加え、その血と肉片を木箱に納めて呪具を作り上げていた。
マジョリティの安寧のために、社会的弱者を文字通りスケープゴートにして搾取していたのである。
「……ふざけるな」
私は帳面を握りしめた。これが美しい国、日本の正体だ。権力者たちはこうやって弱者を踏み台にして、自分たちの既得権益を守ってきたのだ。
その時だった。
地下室の空気が、急激に氷点下まで下がったように冷たくなった。
「……イタ……イ……」
「……ニク……イ……」
空間が歪み、木箱から黒いタールのようなものが溢れ出した。それは幾重にも重なった女性の顔や、痩せこけた労働者たちの姿に変わり、私を取り囲んだ。
普通の人間なら、ここで恐怖のあまり狂乱して逃げ出すか、あるいは国家神道の犬である神社のお祓いに頼るのだろう。
だが、私は違った。恐怖よりも、彼女ら彼らへの深い共感とリスペクトが勝ったのだ。
「怖くないよ」
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


