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中編

何十本もの足首

ゆうき 2日前
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ある夜、1人暮らしをしていたアパートで 私が寝ていると、急に身体が重たくなりました。 " あー、いつものヤツかー " と思いました。 他に、分かって下さる方がいらっしゃると嬉しいのですが、 眠りに入ろうとする時、 " あ、今日は来ちゃうな " と感じます。 来る人は、その日によって違います。 変な話、犬ちゃんの時もあれば、 カップルや、スーツ姿の男性が5人くらい、など様々です。 顔がハッキリ分かる人や、モヤモヤとして分からない人もいました。 しかし、そんな人達に共通して言えるのは、 私の腕を掴み、私に向かって、 必死に何かを言っていると言う事です。 正直、私は、視覚と触覚は働きますが、 聴覚だけが働かなくて、 いつも 、 " ごめんね、聴こえないの " と、言っていました。 腕を持って行かれそうになっても、 " ごめんね " と言うしかありませんでした。 当然、その日も来ました。 しかし、誰も私の顔を覗き込みませんし、私の腕を掴む感触もありません。 うん? と思い、唯一働く視覚を、部屋に向けました。 私は、こんな恐怖を、今まで感じた事がありませんでした。 何十本もの足首だけが、私の部屋中を駆け回っていました。どの足首も全部、同じ足首でした。 ちょうど、くるぶしの辺りから下。青っぽくて、何となく男性の足に感じました。 私は、身体が動けないまま、恐怖に怯えつつ、 目だけでその足首達を見ていましたが、 そのうち恐怖と言うよりも、途方に暮れました。 " これは… どうしたら… " 私の中の感覚では、2、3分だったと思います。 突然、パッと何もかもが消えました。私の身体も動きました。恐怖のあまり、しばらくベッドの上に居たのですが、自分の部屋に居るのもイヤだ、そう思い、かなり勇気が入りましたが、足を床にそっと下ろしました。 そこからは、すぐさま近くの友達に電話し、泣きながらチャリをこいで、友達のアパートへ転がり込みました。 友達は「 何があったの!?」と心配してくれて、今起こった話をしました。すると、友達も恐怖のあまり泣いてしまいました。 2人では不安で、友達が、友達の彼氏を呼んでくれて、その日は3人で過ごしました。 友達の彼氏に、その話をしたけれど、ただ無言でした。 いつも来る人達とは違い、 足首だけが、何十本も来るとは

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