
○月△日
朝食を済ませた後、私は村の近くの山に柴刈りに出かけた。
冬の到来を感じる寒空の下、柴を集めるついでに何か食べられる物がないかと、山の中を歩き回る。食料が不足する冬を前に、少しでも備蓄を増やしたいのだ。
しかし、最近は商人も村に来ず、婆さんの話では、外では鬼たちが暴れ回っているらしい。私たちの村は完全に孤立してしまったのかもしれない。
その日は柴を刈り終え、帰りに小さな山菜を少しだけ摘んで帰ることができた。
家に着くと、婆さんはもう洗濯を終え、夕飯の支度をしていた。私はその香ばしい匂いをかぎ取ると、思わず微笑んでしまった。「婆さん、今夜は何を作っているんじゃ?」
「キビ団子じゃよ、爺さん」と婆さんが答えた。
夕食を共にし、私は日記をつけた。「今日もまた柴刈りに行った。」
○月△日
その日も私は山に柴刈りに行った。腰には婆さんが作ったキビ団子をしっかりと抱えて。
午前中、せっせと柴を刈り、昼食にはそのキビ団子を味わった。モチモチした食感がたまらない。
その後、山の奥へ進んでみたが、思ったよりも収穫は少なかった。食料の管理は婆さんに任せているため、私自身はどれほど備蓄があるのか全く把握できていない。明日の柴刈りはもう少し深く山に入ってみることにしよう。
そんな思考を巡らせながら下山し、家に着くと日が暮れかけていた。玄関に漂う匂いは、婆さんの得意料理の香りだった。「婆さん、今日は随分と早いのう。」
だが、婆さんは私の問いかけに無反応だった。
「食料はどれくらい残っとるかの?」
「心配せんでも、冬を越せる分はあるぞ」と婆さんは背を向けたまま答えた。
それを聞いて安心したが、心のどこかで不安がくすぶっていた。
○月△日
突然の事件が起きた。朝食のキビ団子を取ろうとした時、くしゃみをしてしまい、皿をひっくり返してしまった。幸い、婆さんは洗濯に出ていたため、誰にも見られずに済んだ。
しかし、冬の備蓄不足が頭をよぎり、私は慌てて床に落ちたキビ団子を拾い、昼食用の袋に入れた。
そのまま山に柴刈りに行くことにしたが、空腹のせいか、体が重く感じた。
山の小川で、石を踏み外し転んでしまい、袋の中のキビ団子が流れてしまった。何とも不運だ。
それでも柴刈りを続けると、なぜか体が軽くなっていく。作業が進むにつれ、今までの疲労感が消えていくのを感じた。
しかし、山を下りる途中で、奇妙なことが起きた。頭の中に浮かぶ疑問が増えていく。
「山菜や茸を食べた記憶がない。どこに消えたのか。」
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