
短編
犬神憑き
匿名 2日前
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「ワシは昔、犬神憑きを見た事があるんや」
そう言って父がぽつりと漏らした話を記載する。
私の父がまだ幼少期の頃の話。
幼少期、田舎独特の平屋建ての家がポツポツと並ぶ山村に住んでいたと言う。
その日は近所に住む友達(A君)の家に遊びに誘いに行った。
A君は「今日はちょっと遊べない」って青い顔をしていた。
A君のお父さんも出てきて「今日はお家の手伝いをしないとダメだからね、ごめんね。」と言う。
父はガッカリしたのだけど、玄関奥の廊下に動く“モノ”を見逃さなかった。
そのまま帰るフリをして、生垣越しに裏庭側に回った。
縁下から見えるその部屋には、Aの弟(まだ赤ん坊)が寝ていた。
そこへ芋虫のようにモゾモゾと身体を動かしながら這って来るモノが居た。
その外見はAの母。
父が様子を見ていると、赤ん坊に近付いた後おもむろに赤ん坊の首を締め上げる。
父が「ギャッ!」と声を上げると、Aの父がかけつけ、Aの母を赤ん坊から引き剥がして「しっかりせんか!」とビンタをする。
同じく部屋に入って来たA君が、父を睨みながら襖を閉めた。
話はそこで終わり。
後日談:
- A君のお家は所謂「資産家」の家庭だったそう。 父は犬神憑きと言ったが… 私の見解は、お母さんに憑いてたものは一種の呪詛で蛇が憑いていたのだと思えた。そんなお話。
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chat_bubble コメント(1件)
- で????名無し