
長編
人面石
匿名 2日前
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見える。石の大きさからして、大人の男性くらいでしょうか。表情は苦悶しているように見え、大変不気味でした。
(ポンペイの石膏をご存知でしょうか。あんな感じです。私はこの件以降しばらくポンペイの石膏はトラウマでした。)
子どもながらになぜなのかは分りませんが、この「人面石」が人工のものでないことが分かりました。何かは分からないけど、これは誰かが作ったんじゃない。自然の力でこうなったんだ。長い年月を経て風化したやつが、たまたま人の顔になったんだ。
誰かのいたずらなら逆に安心できました。これは違う。人間ではない、なにかもっとこう……。歴史を感じる。途方もないほどの……。得体の知れないもの、漠然としたものを感じる。
昼下がりの静かな公園。自分以外に誰もいない。自分の前には苦しそうな表情の人面石。ふつふつと恐怖を覚え、汗がだらだらと流れてきました。
まずい。これは長いこと見ちゃいけない気がする。
すぐに石を砂場に放置し、逃げるように家へ帰りました。
何かを訴えるような表情が頭から離れず、なんだか言っちゃいけない事のような気がして、妹にも母にも言えませんでした。冒頭で述べたとおり、団地に住むすべての人から見える公園。さらに砂場は公園中央にあるため、家の中からでもよく見えました。私はその日ずっと家の中からあの砂場を凝視していました。
次の日、公園が集団登校の集合場所となっているため、恐る恐る向かいましたが、石はもうありませんでした。昨日は自分以外の子があの後遊んだ様子はなかったし、私が寝るまで、大人も砂場に来なかったはず。誰かが持ち去るか埋めたのかな……?
しばらくは砂場で遊ぶことはできませんでしたが、友達や妹と遊ぶうち次第に恐怖は薄れていきました。その後友達があちこち掘り返しているのを遠くから見ていましたが、何も出てこなかったので、また砂場で遊ぶようになりました。
2,3か月たったある日。人面石のことはすっかり忘れ、妹と公園で遊んでいました。公園には私たち兄妹だけ。
その日は大きな砂山を作ったあとにトンネルを掘ろうと考え、妹がスコップで砂や土を掘り返し、私がその砂や土で砂山を作っていました。
妹がスコップをふるった時、コツンと何かに当たったようです。妹が私に「お兄ちゃん、ここなんか埋まってんでぇ~」と言います。
私は砂山を作るのに夢中。
妹に「じゃあ
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