
数年前、私は小さな観光地の土産物店で働いていました。
入社して間もない頃、Y君と呼ぶことにした彼は、社内でも目立たない存在でした。彼は商品知識が乏しく、接客もぎこちなく、同じ失敗を繰り返すことが多かったのです。それでも私は、彼の特性を活かせる仕事を見つけることが私の役目だと考えていました。
そこで、新たに入荷した陶器の置物の陳列を任せることにしました。彼は少しずつその作業を楽しむようになり、初めて自信を持っているように見えました。
しかし、ある日、Y君が店の外で偶然、観光客の車に轢かれてしまったのです。
幸い、怪我は軽傷でしたが、彼はしばらく休むことになりました。次の日、彼はタクシーで病院に向かう中、別の車に追突され、再び病院送りに。
なぜ彼はこんなにも事故に遭うのか、周囲は疑問に思い始めました。
その翌日、今度は再検査のためのタクシー移動中に、またもや追突事故。医師は彼に、もう病院には来ない方が良いと言い渡しました。
結局、Y君は自宅に隔離される形で療養を余儀なくされました。出ようものなら、事故が起こるのです。
1か月後、ようやく回復したと報告し、復帰してきた彼が、商品の整理をしていると、突然、店の天井から重い陶器の置物が落下し、頭に直撃。
彼は血まみれになり、また救急車で運ばれていきました。それが、Y君を見た最後の瞬間でした。
後日、店のオーナーが事故の原因を調査したところ、天井の支持構造に長年の劣化が見つかりました。
運命に翻弄されたY君の存在は、店にとって不気味な伝説となったのです。
そして、今でもその場所では、彼の影が色濃く残っていると言われています。
不運な事故が続いた彼の姿は、今も観光客の噂のネタになっています。
彼が最期に見たのは、どんな光景だったのでしょうか?
その問いに、誰も答えられません。
彼の運命の連鎖は、今も続いているのかもしれません。
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