
俺は26歳のフリーターだ。
やることもなく、日々の生活が虚無に感じたので、夢の記録をつけ始めることにした。
最初の数週間は興味深い夢を次々と見ることができて楽しんでいたが、次第に毎日の単調な生活が影響して、夢の内容は現実とほとんど変わらないものになってしまった。
朝起きては夢の内容を記録し、ゲームをして、食事をして、また寝る。そしてまた夢の内容を記録する。この繰り返しが続いた。
数ヶ月後、夢の中の出来事と現実の境界が曖昧になってきた。これはまずいと思い、明晰夢の技術を試すことに決めた。夢の中で自分を操作できるというこの方法に期待をかけていた。
夜、夢の日記を枕元に置いて、入眠から数時間後に目を覚まし、「自分は夢の中にいる」と心の中で唱えながら再び眠りについた。
目が覚めたと思ったら、夢の中にいた。初めての明晰夢で、周囲の景色は鮮明に見えた。そこで思い切って屋上へ行くことにした。
ビルの屋上に立ち、周りの景色を楽しんでいたが、下を見下ろすと、恐ろしいほどの高さに心がざわついた。恐怖を感じつつも、夢の中なら大丈夫だと思い、手すりに寄りかかってみた。
その瞬間、バランスを崩してしまい、急速に地面に向かって落ちていった。衝撃で目が覚めた時、夢の中での出来事を不思議に思ったが、すぐに夢の日記にその体験を記録した。
しかし、次の日記を読み返すと、そこにはこう書かれていた。「あなたはまだ夢の中です。」
その言葉を見た瞬間、心臓が大きく跳ね上がった。自分が夢の中にいることに気づいたはずなのに、実は現実の中でも夢の中にいたのか。目の前の景色が歪み、暗闇が迫ってくるのを感じた。何が現実で、何が夢なのか、もはや分からなかった。
夢の記録をつけることが、逆に夢と現実を混同させる原因になってしまったのだ。
俺は、もう二度と目を覚ますことはできないのだろうか。 その思考が頭をよぎると、再び意識が闇に飲み込まれていった。
後日談:
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