
数年前、私たち兄妹は父が再婚した後、母の死を受けた複雑な感情を抱えていた。新しい母、つまり後妻は、私たちとの関係を築く中で次第におかしくなっていった。そんな中、私たちは廃墟と化したビルの一室に足を踏み入れた。部屋の片隅には、古びた人形が無造作に置かれていた。兄はその人形を見つけると、何か不気味なものを感じ取り、私に「触るな」と言った。
私たちがそのビルを訪れるたびに、何かが変わっていくのを感じた。兄はその人形について調べ、呪いの伝説を耳にする。「その人形に触れた者は、不幸に見舞われる」と言われていた。その時、私たちの目の前に、その伝説に出てくるという女が現れた。彼女は白い服を着ており、手には鈍く光る金槌を持っていた。
その女は人形を見つめ、呪いの儀式を行なっているようだった。私たちは恐怖に駆られ、隠れることにした。彼女が人形を持っている姿を見つめていると、いつの間にか目が合ったような気がした。彼女の顔には、どこか悲しげな表情が浮かんでいた。
その瞬間、兄が声を上げてしまい、女は振り返った。恐怖に満ちたその目が私たちを捉え、すぐに私たちは逃げ出した。外に出た瞬間、胸が締め付けられるような感覚が襲ってきた。何かが私たちを追ってくる。
家に帰っても、あの女の姿と人形の存在が頭から離れなかった。数日後、兄が急に体調を崩し、何もできない状態に陥った。病院に連れて行くと、医者は「原因不明」と言った。私はその時、あの人形の呪いが兄に降りかかったのだと確信した。
兄の容態が悪化する中、私の心にも「ざまあみろ」と「気の毒に」という感情が渦巻いていた。私は、彼があの女の姿を見たことで何かを引き寄せたのではないかと考えた。結局、兄はそのまま戻らぬ人となった。私の心には、呪いが確実に存在していたのだ。あの人形を見つけてしまったことで、私は妹としての役割を果たせず、ただ恐怖だけが残った。呪いの人形は、今もそのビルの片隅で静かに待っているのだろう。
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