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短編

遭難

かみご 2日前
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私は大学時代の友人Aと登山へ出かけた。 不幸なことに山頂に差し掛かったところで吹雪になり、視界がとても悪くなってしまった。 それでも下山しなければと言う思いでどんどん歩くのだが、一面真っ白な世界が広がるばかり。 結果、2人とも完全に遭難してしまった。 不幸中の幸いで携帯電話で救助を呼んだのだが悪天候のため捜索は困難で、と救急隊員に言われてしまった。 私と友人は吹雪の中でお互いを励ましあった。 「絶対に2人で生きて帰ろうな」 「ああ、当然だ」 しかし、もともと体があまり頑丈ではない友人は、寒さのせいでどんどん気力も体力も奪われていく。 「俺はもうダメだ・・・」 「そんな弱気なことを言うな!救助が来るまで頑張るんだ!」 「もう死ぬかもしれない、その前にお前に言いたいことがあるんだ」 友人は俺の手を握り、見たこともないような険しい目つきで必死に俺に訴えかけた。 「4年前に俺の妻が死んだよな」 「そのことか・・・あれは不慮の事故だったじゃないか」 「ああ、確かにそういった、でもなあれは事故じゃない」 「どういうことだ?だってお前、一緒に海水浴に行って・・・それから奥さんが溺れて沖に流されたって、警察にもそう説明したんだろう」 「俺が殺したんだ」 友人の握る手に力が入り、俺の全身が身震いする。おそらく寒さだけがそうさせているわけではないのだろう。 「あいつが、あいつが浮気なんてするから・・・それで俺、わけわかんなくなって」 「お前・・・」 「気がついたら妻の死体が足元に転がってたよ、顔中から血を流してな」 俺はただ黙って友人の告白を聞く以外になかった。 「死体は○○池に沈めた、警察に見つからなかったのが奇跡さ、でもどうだ?俺は今遭難して死にかけてる、きっと神様が罰を与えたんだろう」 「い、今は助かることだけを考えようぜ」 俺は途端に自分の隣にいる男が恐ろしくてたまらなくなった。 しばらくすると、荒れていた天気が嘘のように晴れ視界が一気に開けた。 そして俺たちの目線の先にポツンと山小屋が現れたのだった。

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