
その日は、7月最後の日曜日だった。
俺は街コンのために都会に出かけていた。
いい感じになったら、そのあとデートできるかもみたいな淡い期待をこめて車で出かけた。
だが、結果は惨敗だった。
もともと不器用な俺は女性とうまく話すことができないし、会場で目当てだった女性は他の男と仲良くなっていった。
俺は、彼女ができることなんて夢のまた夢なんだと落ち込みながら車を走らせていた。
そのまま家に向かってもよかったが、なぜか俺は横道にそれてしまった。
しかも慣れない道なので、俺の車はどんどん知らない道に入って行った。
カーナビがあるので目的地さえ入れれば帰れるが、しばらく気晴らしに走らせてから帰ろうかなと考えていた。
そしてどれだけ走ったか分からないが、気がついたらあの街に来ていた。
出張で出かけて、あの女性を見つけたあの街・・。
しばらく車を走らせていると、道路沿いの道を歩くあの女性を見つけた!
道は比較的空いてたので、俺は徐行しながら歩道を歩く彼女を見た。
間違いない!確かにあの子だ!
俺は一旦彼女を追い抜いて、少し離れた彼女からは見えないところまで行き、車をUターンさせた。
そして戻ってきて遠くから彼女を見ていると、彼女は途中で道を左に曲がった。
俺は車を走らせて彼女を追った。
そこは住宅街にあるが、やや人通りの少ない場所だった。
彼女は何も気付いてないのか、ひたすら歩いていた。
俺は彼女を見ながら、
「どうしよう!やるか、やめるか・・」
俺は心臓が高鳴っていた。
やってしまったらもう引き返せないし、失敗すれば終わりだ。
だが、相手は一生かけても会えないような理想の女・・。
俺は覚悟を決めた。
そして、後部座席の目立たないところに入れてある「例のセット」を取り出した。
これらは、普段は誰かを乗せたときに見つからないように隠してあるが、いつでも素早く取り出せるようになっていた。
俺はセットの袋からナイフを手に取り、サングラスとマスクも取り出して顔を隠した。
そして、そろりとゆっくりと車を近づけた。
そのあと、辺りに誰もいないのを確認すると彼女の少し前まで行き、俺は車を停めた。
そして車から出ると、驚いたような表情の彼女が俺を見た。
俺はナイフを取り出し彼女に向けた。
「大人しくしろ。声を出したら殺す!」
と脅した。
彼女は立ったまま震えていた。
俺は彼女にナイフを向けたまま歩かせ、俺が車の後部座席のドアを開けた。
「乗れ!」
彼女は目に涙を浮かべていて、なす術もなく車の後部座席に乗った。
後日談:
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