本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 中編
かつての名前の話
かつての名前の話
新着 中編

かつての名前の話

2時間前
怖い 0
怖くない 1
chat_bubble 0
22 views

名札を取り出したとき、何かが引っかかる感覚があった。

指先に触れたそれは、まるで冷たい金属のようで、心の奥に不安を抱かせた。名札には「高橋誠」と記されている。

当然のことだ。運転免許証にも、保険証にも、何もかもがそうなっている。

しかし、その名前が頭の中で繰り返されるたびに、胸に小さな違和感が生じた。まるで、それは自分のものではないかのように。

その夜、我慢できずに姉に電話をかけた。

「なあ、俺の名前って…なんだったっけ?」

姉は笑い声をあげた。

「え、もちろん高橋誠よ。何言ってるの?」

「……そうだよな。」

納得したフリをしながらも、胸の不安は消えなかった。過去の友人にもLINEを送ってみた。

「俺の名前って昔から高橋だったよな?」

「は? 何かおかしいのか?」

友人の茶化した返事に、深く訊ねることができなかった。しかし、心のもやもやは一向に晴れなかった。

そんな頃、冬が深まり、雪が降り始めていた。

久しぶりに有給を取ることができたので、山小屋にいる実家に帰ることにした。姉は元気で、俺を見た瞬間「痩せた?」と笑った。

小屋の中には、雪の音と静けさが広がっている。何も変わっていないその空間に、少しだけ安心感を覚えた。

晩ご飯の後、姉が古いアルバムを見せてくれた。

「懐かしいでしょ。小さい頃の写真、見てみる?」

写真が並ぶ中、一枚の古い写真に目が留まった。そこには、雪の中で遊ぶ子供が映っている。笑っているその子供は、確かに俺だ。

だが、写真の裏には「誠」と書かれていた。俺の記憶には、「高橋」という名前しかなかった。

「姉さん、今の写真で俺のことなんて書いてた?」

「え、何? その名前、誠よ。」

姉の言葉に違和感を覚え、俺は写真を何度も見返したくなった。しかし、どんなに見てもその名前だけが引っかかる。

深夜、気になってアルバムをもう一度探した。古い玩具や日記帳の奥から、一冊の薄いノートを見つけた。表紙には「誠」と書かれている。

ページをめくると、子供の頃の些細な出来事が綴られていたが、途中から急に空気が変わった。

「ぼくの なまえは かずきです」

その後のページには、手が震えているような文字でこう書かれていた。

「かみさまが おこっているので なまえがかわります」

次のページには、力強く書かれた文字があり、こう続いていた。

「わすれて」

目を離せなかったが、それ以上は何も書かれていなかった。

翌朝、姉にそのアルバムのことを訊ねた。

「昨日の写真、どこに行った?」

1 / 2

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 001_001

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 5
怖い評価 4
閲覧数 269

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.2.209

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 学校
  • 心霊スポット
  • 意味怖
  • 禍禍女

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...