
友人から聞いた話だった。彼は水道修理の技術者で、ある冬の夜、アパートの浴室からの水漏れを直すことになった。
浴室での水漏れは、通常は配管の劣化や詰まりによって引き起こされる。特に古い建物では、長年の使用によって配管が傷んでいることが多い。
その日は、浴槽の下にある配管が詰まっていることが判明した。水の流れが全くないのだ。友人は工具を取り出し、作業を始めたが、なかなか手強い詰まりだった。
使ったのは、高圧の水を噴射する器具。しかし、どれだけ圧力を上げても詰まりは解消されず、最後には特殊な器具で引っ掻きながら貫通させることに成功した。浴室の裏側から異臭が漂ってきたが、友人はそれを気のせいだと思い込もうとしていた。
作業が終わった数日後、ニュースで一人の住人が行方不明になったと報じられた。新しく引っ越してきた住人で、近所の人たちが彼を見たのは数週間前のことだった。
さらに数ヶ月後、アパートの浴室で、ひどく腐敗した死体が発見される。警察の調査によると、浴槽の下の配管が密閉されていたため、死体は全く外に匂いを漏らさなかったという。
友人は、自分がその家で行った修理を思い出し、背筋が寒くなった。彼はその夜、ノズルを新しくすることにしたが、心の奥に恐怖が残ったままだった。あの異臭は何だったのか。彼はそれ以上考えないようにしたが、気持ちが落ち着くことはなかった。彼の手元には、今でもその修理で使った道具が残っている。どこかに、あの影が潜んでいるような気がしてならなかった。
そして、友人はその後、別の現場で再び同じような異臭を嗅いだ。今度は、どんなことが待ち受けているのか、考えたくもなかった。
彼は、再びノズルを手に取ることにした。だが、心の中の影が、いつまでも消えることはなかった。
彼はただ、作業を続けるしかなかった。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


