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長編

コピペ つんぼゆすり

匿名 13時間前
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らしきものがうっすらと見えはじめた。 子供をおぶってあやしているようなシルエットだったが、どんなに目を凝らしても影にしか見えない。 人と闇の境界にいるような存在だと、伯父は思ったと言う。 日が沈みかけて、ここが宵闇に覆われた時、あの影が蜃気楼のようなものから、もっと別のものに変わりそうな気がして、鳥肌が立ち、伯父は仲間をつれて一目散に逃げだした。 この話を大人に聞いてもらいたかったが、家の者には内緒にしたかった。 近所に吉野さんという気の良いおじさんがいて、話しやすい人だったので、あるときその話をしてみた。 すると、 「そいつは、つんぼゆすりかいなあ」 と言う。 「ばあさまに聞いた話じゃが、あのあたりではむかしよく幼子が死んだそうな。 つんぼの母親が子供をおぶうて、おぶい紐がずれてるのに気付かずにあやす。 普通は子供の泣き方が異常なのに気付くけんど、つんぼやからわからん。 それでめちゃめちゃにゆすったあげく、子供が死んでしまうんよ」 伯父は寒気がしたという。 「可哀相に。せっかくさずかった子供を自分で殺してしまうとは、無念じゃろう。 それで、今でも子供をあやして、さまよい歩いてるんじゃなかろうか」 「それがつんぼゆすりか」 と伯父がつぶやくと、 「鬼ゆすりとも言うな」 「鬼ゆすり?」 「なんでそう言うかは知らんが・・・。まあ、そうしたことがよくあった場所らしい」 伯父はなんとなく、あそこはそうした人たちが住んだ集落なのだろうと思った。 ほとぼりがさめたころ、伯父は仲間と連れ立ってまたあの集落にやってきた。 一軒一軒まわって念仏を唱え、落雁を土間にそなえて親子の霊をなぐさめた。 そして、また以前のように遊びまわってから、夕暮れ前に帰ろうとしたとき異変が起きた。 森に入ってから雨が降り出したのだ。さっきまで完全に晴れていて、綺麗な夕焼けが見えていたのに。 伯父たちは雨の降る森を駆け抜けようとした。 しかし、どうしてそうなったのか分らないが、方角がわからなくなったのだという。 一人はこっちだといい、一人はあっちだという。 それでもリーダー格だった伯父が、 「帰り道はこっちだ間違いない」 と言って先導しようとしたとき、その指挿す方角から、かすかに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。 一人が青くなって、 「あっちは元来た方だ」 と喚いた。 頭上を覆う木の枝葉から雨がぼたぼたと落ちてくる中で、伯父たちは立ち尽く

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  • この事は一切忘れると誓ったのに、覚えているは言いふらすわで草
    ポルポトはサル
  • 逃げるとこの話しに 覚えがある 読んだ話しかな?
    まい
  • 刀自って、女なのね(; ̄^ ̄)
    トクメイ
  • 昔もこんなことがあったんですね
    ブルー
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