
中編
頭に当たった『なにか』
らら 2017年9月4日
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これは私が高校一年生の時に体験した話です。
当時私は自転車通学で、毎日片道1時間ほどかけて学校に通っていました。
入学したばかりの頃は、起きる時間が早いのと、自転車による疲れでへとへとだったのですが
2か月もすればそんな日々に慣れてきて、特に辛いと感じることはありませんでした。
その日は大会が近いということで、いつもよりも遅い8時に部活が終わり、いつものように自転車で帰りました。
学校から帰る途中に友人からメールが来て「この間借りたゲーム返すからうちに来て」と言われました。
友人の家と私の家はとても近かったので、「今部活からの帰りだから、帰り際に寄って行く」と伝え、また自転車を走らせました。
いつもの帰り道、その日はいつもよりも部活がハードだったので、一刻も早く家に帰って寝たいという気分で
近道をしていくことにしました。
いつもは曲がる道を直進すると、ある大きな公園があります。そこを抜けると、いつもよりも5分くらい早く家に帰れるということを私は知っていました。でもなぜ使わないのかというと、単純に気持ちが悪かったからです。
そこの公園は、昼間は人が沢山いるので普通の公園なのですが、夜になると街灯があまりないので、すごく暗くなるというのと、ある『噂』があるからでした。
噂というのは、『昔その公園の滑り台で首つり自殺があった』というもので、本当かどうかわからない単なる噂だったのですが
公園があまりにも暗くて気持ちが悪いので、夜は通らないようにしていたのです。
しかし、その日はあまりの疲れと早く家に帰りたい気持ちで少し焦っており、公園を抜けていくことにしました。
公園の入り口はかすかに街灯の光があるので明るかったのですが、奥は真っ暗で、とても怖くなりました。
以前投稿した『よだそう』の時に『必要以上に怖がると寄ってくる』ということを体験した私は
深く深呼吸してから公園の中へ自転車を走らせました。
公園の中は街灯がちらほらついているのですが、本当に真っ暗で気持ちが悪かったです。
ですが、ここで怖いと思ったら負けだと思い、自転車を全力でこぎました。
公園の中を走ること5分、もうすぐ出口だとおもった瞬間に私の頭に『なにか』がぶつかったのです。
ぶつかった衝撃で盛大にこけた私は、なにがなんだかわからずにパニックになり、辺りを見渡したのですが
私の周りにはなにも落ちていなくて、何が当たったのかもわかりませんでした。
膝をすりむいていましたが、パニック状態になった私はすぐに自転車にまたがり、また自転車をこぎだしました。
公園を出てからも自転車を全力でこいだ私は、予定よりも10分以上早く家に着くことができました。
その時、友人の家に寄ることを思い出した私は、歩いて友人の家に向かいました。(徒歩で1分程の距離なので)
友人の家に向かって歩き出すのですが、なんだか頭がクラクラして、うまく歩けません。
先ほど転んで頭でも打ったのかと思い、ゆくっり歩き、いつもならすぐつくのに5分程かかりました。
友人宅につき、チャイムを鳴らすとゲームを持った友人が出てきて、フラフラな私の様子に驚いていました。
それ以上に驚いていたのは、私の顔色の悪さでした。もともと色白の私ですが、その時はまるで死人のように生気のない真っ青な顔をしていたそうです。
私の顔色の悪さに心配した友人に「心配いらない、大丈夫」とだけ言い、具合も悪かったので、早々に自宅に帰るとすぐに眠りにつきました。
なにか夢を見たのか、朝起きると、私は泣いていました。
なにも覚えていないのですが、悲しくて悲しくて涙が溢れてきます。
今までこんな体験をしたことなかった私は、どうしたら良いのかわからず、居間に行き、父親に昨日のことを話すと、塩をかけられました。
いつもはそんな話信じない父親ですが、私の顔色の悪さを見たらなにかあったと感じたらしいです。
私の両親は霊能力があるわけでもないので、なにかできるわけもなく、塩で清めることしかできないので、その日は体調も悪いということで学校を休みました。
その後なにかあるわけでもなく、次の日には体調も完全に回復していました。
なにか霊の仕業なのか、今でも真相は謎ですが、私は一瞬飛んできたものを見た気がするんです。
暗くてはっきりとはわからないのですが、『顔』の様なものが飛んできた気がするんです。
ですが記憶はすごく曖昧で、パニックになった私が恐怖心から顔に見えただけで、本当は夜に飛んでいる鳥かも知れません。
真実はわからないままですが、この話はこれで終わります。
ありがとうございました。
皆さんも暗い夜道にはお気を付けください。
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