
私は小さな病院で看護師をしています。
今夜、診断書をスキャンしてデータを整理していたのですが、Kさんという患者の診断書をスキャンしていると、奇妙なことに気が付きました。
顔写真の部分が、ちょうど目の上あたりが白く欠けていたのです。まるで、そこだけが雲に覆われたような形でした。
「これって、スキャンミス?」と思い、再度スキャンし直しました。
しかし、また同じ部分が白く欠けてしまいました。元の診断書をよく見ると、異常はありません。
「スキャナのガラスが汚れているのか」と思い、アルコールで拭き掃除をし、最後には自分のハンカチまで使ってきれいにしました。
さて、再スキャンです。
「またか…」
また、同じ場所が白く欠けているのです。スキャナ内部のレンズに問題があるかもしれないと思い、手元にあった真っ黒な紙をスキャンしてみました。
この黒い紙、実は診断書の裏に敷くために使うもので、裏映りを防ぐために常備していました。
「さて、これでどうかな?」
すると、真っ黒な紙は問題なく、ちゃんと黒くスキャンされました。さらに他の患者の診断書もスキャンしましたが、何の問題もありませんでした。
しかし、Kさんの診断書だけが、どうしても白く欠けているのです。
「このKさん、入院させない方がいいかもしれませんね。何か不吉な気がします…」
そう言いながら、私はKさんの診断書を上司に渡しました。
上司は「そういうこともあるさ」と言いながら、診断書を静かに閉じました。そして、彼の目に一瞬、何か恐怖の影が映ったように思えました。冬の夜の静けさが、さらに不気味さを増しているかのようでした。
その後、Kさんは入院することになり、病院を訪れた人々の中で、彼の姿を見かけることは二度となかったのです。病院の隅で、白く欠けた診断書だけが静かに忘れ去られていきました。
あの夜、Kさんが何を抱えていたのか、今でも思い出すと恐ろしいです。
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