
長編
きんけまん
匿名 4日前
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ら「アナタタチノオカアサンヨタベテアゲルカラアケテ。」と言いました。
流石に二人は恐ろしくなり、恐怖のあまり玄関から離れて布団に包まってしまいました。しかし、玄関は鍵を掛けてあるので、"きんけまん"は中に入ってくる事はありませんでした。
兄は自分も泣いていましたが、恐怖のあまり泣いてしまった弟に「大丈夫、大丈夫…」と何度も呟きました。
それから暫くたって、玄関を激しく叩く音が聞こえました。「お兄ちゃん、次郎ちゃん大丈夫!お母さんよ!何かあったの!」と母親が帰って来ました。それを聞いた兄弟は本当に安心して、玄関まで駆け寄りました。「二人とも何かあったの?怖くなかった?もう大丈夫だから、鍵を開けてちょうだい。」と言いました。二人は恐る恐る覗き穴から確認しましたが、紛れもなく母親でした。
弟は「お母さんだ!」と喜びましたが、兄は少し不思議に思いました。
どうして自分で開けて入ってこないんだろう?いつもは勝手に開けて「ただいまっ」て入ってくるのに、自分達が玄関を開けるのを待ってる様でした。
「何をしてるの?お母さんよ、早く開けてチヨウダイ…」と、少し声がおかしい様に聞こえましたが、弟はそれに気付かず、玄関の鍵を開けてしまいました。
二人は安心した様子で戸を開けると、そこに立っていたのは母親ではなく、大きな目で中が真っ黒な"きんけまん"でした。姿は母親でしたが、明らかに違っていました。二人は恐怖のあまり、全く動けませんでした。"きんけまん"は「アリガトウ…」と言うと避けた口を大きく開けて、弟の顔めがけて嚙みつきました。
「うわぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎」
兄は怖くなり、その場から逃げ出してしまいました。"きんけまん"は「バリボリ、バリボリ…」と音を立てながら、弟の顔の目や鼻を食べていました。兄は"きんけまん"が弟の顔の食べている隙に、階段の下の物置に隠れ階段の隙間から、その様子を見ていました。
"きんけまん"が弟の顔を食べ終り、弟が倒れて落ちると顔がこちらを向いていましたが、顔は目も口も鼻もないノッペラ坊でピクピクと動いていました。
"きんけまん"は弟を残して、兄を探し始めました。「どうしたのお兄ちゃん、お母さんよ。出てらっしゃい。」と母親の声で探し始めました。
台所の机の下、客間の押入れ
後日談:
- これは私が幼稚園ぐらいの頃、母親から聞いた話です。 母も私の祖母に子供の頃に聞かされたそうで、その祖母は先日亡くなり、ふと、思い出したので書き込んでみました。話の時代背景は昭和の戦後間もなくの頃でしょうか?借家に住んでいる母子家庭の兄弟の話です。
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- 3歳に1人で留守番は無理だろうなぁあー
- 妖怪か!?つか
- 教育的に素晴らしいg
- 作り話ナイスあ
- すごくこわいお話でした。ぽん